決意 ページ17
私は、少し戸惑う。
…まだ、バレーとは距離を起きたい。
そう思ってしまう。
「勿論、そんなに直ぐじゃなくていいよ。
見学とか、いつでも来ていいし。
でも、俺はもう一回Aちゃんがバレーをしてるとこ見たいよ。
そのきっかけにならせてほしい。」
及川さんは変わらずまっすぐこちらを見る。
「…その、まだ、私、怖いです。」
「うん。」
「でも、やっぱり、心のどこかで、バレーを求めてるんです、多分。」
「!」
「だから、その、見学、行きます。」
及川さんは再び私を抱きしめる。
「ありがとう!!いつでも待ってるからね!!」
「…はい。」
私も、及川さんを抱きしめ返す。
あぁ、今日はこの人にどれだけ救われただろう。
感謝と、申し訳無さを抱きしめながら伝える。
「…あなたがいて、よかったです。」
「!」
──────
月曜日、バレー部の見学に行くことを心春に伝える。
すると、心春は安心したように笑い、
「良かった。私もAのバレー大好きだかんね!」
そう言ってくれた。
私の周りには、暖かくて、優しい人がいたのに、気づけてなかったんだな、と改めて思う。
……私を思ってくれてる人の為にも、私が変わらなきゃ。
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作者名:ねお | 作成日時:2022年4月29日 19時