【ハイキュー】青葉城西男子バレー部の女子マネージャー (ページ15)

今日:1 hit、昨日:14 hit、合計:4,630 hit

・ページ15

私は、いいのか悪いのか、一命をとりとめた。

頭も強く打ったらしく、出血多量で3日寝込んでたらしい。

その時、足はもうだめになった。

私は中体連のこの試合で、バレーが怖くなった。

バレーだけじゃなくて、何かを本気ですることも。

全力でやる人はかっこいい、なんていうけれど。
一人だけが全力だとやはり違う。
浮いてしまうんだ。

私はそれが怖くて仕方なくなってしまった。

─────

「………」

及川さんは黙って私の話を聞いてくれている。

「それを、一度兄に相談したこともあったんです。」

私を一番理解してくれてるのは兄だと思ったから。

でも…

「兄が言ったのは、"Aは可愛いんだからバレーじゃなくてもいいじゃん！"でした。

…兄が、私を励まそうとして言った言葉なのは分かってるんです。」

兄が私を傷つけようとはしないはずだから。

「でも、その言葉が私にはしんどくて、『私はバレーに必要な存在じゃない』って受け取ってしまって。

他の家族も、"女の子なんだから可愛くしなさい"とか、"髪の毛も大事にしなさい、女の命なんだから"とか、バレーをやめた瞬間言ってきたんです。

だから、何もない私はそれに従って生きてるんです。

私に求められるのは、バレーじゃなくて可愛さなんだ、って。」

私と及川さんの間に沈黙が流れる。

私は涙をためながらも及川さんの方を向き、

「こんな私でもかわれますか？」

と、言った