私の左手 参【鬼滅の刃】

左手111 ページ21

『............』


「........駄目ですかね？」


『駄目に決まってるでしょう。ふざけないでください』





Aは今、隊服を渡してきたメガネを死んだ目で見ていた。
それはそうだ。隊服が明らかに可笑しいのである。

Aの隊服は死体と共に消えていたし、消えていなかったとしても腹部に穴が空いている為、どちらにしても新しい隊服が必要だった。それが届いたと連絡があり、隊服を見たら誰でも怒るだろう。





『こっちは命をかけて人を守っているんです。なのに、こんなあなたの願望を詰めに詰め込んだ服を着ろと？は？』





Aはガチギレである。用意された隊服は命がある胸の部分をギリギリまでさらけ出し、スカートはアホみたいに短い上に靴が慣れていないと挫くブーツだ。





『意味が分かりません。私は任務に行けと言われたら寝間着で行きます。それくらいにこの隊服の意味がねぇんだよ。命の部分をさらけ出すってどういう意味？その深層心理を浮上させて言ってみやがれください』


「だって男ばっかりで女の人の隊服を作るなら後悔のないようにと...」


『なるほど。燃やすか捨てるかどっちが良いですか？』





どっちにしろ灰になる。残すという選択肢を与えない。それにAは分かっていた。しのぶが新しい隊服を用意しましたと言った時点で、このメガネはちゃんとした隊服を持ってきてる筈だと。

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