白のお姉さん【チェンソーマン】 (ページ4)

今日:49 hit、昨日:27 hit、合計:38,030 hit

03話　コロッケページ4

NO side

ｺﾂｺﾂｺﾂ

まだ見ぬ悪魔の姿を思い浮かべ、Aはピンヒールを鳴らしながら車に乗った。

相手と自分が過去に会ったことがあると知らずに。

「本部までお願い。」

男「畏まりました。」

血まみれのままコートだけ脱ぎ、部下であろう男に渡して車に乗り込んだ。

男「Aさん、何か悩み事でも？」

男は外を眺め続けるリノに呼びかけた。

「んー？

うーんとね、晩御飯何にしようかなーって。

何か案くれない？」

Aの言葉に男は答えた。

男「そうですね…。

僕は今日はコロッケでも買って帰ろうかと思ってましたよ。」

「あー、いいね。

私も食べたくなってきたかも…。

コロッケといえばさ。

あの本部近くのデパートあるじゃない？」

Aは窓から視線を運転席の方へと向ける。

男「ありますね。」

「あそこで日曜日まで北海道フェアやってるらしいよ。

コロッケとか、お弁当とか色々売ってるって。」

男「いいですね。

久々に海鮮とかも食べたいなー。」

「私はお肉弁当食べたい。」

男「絶対美味しいですよね。」

「ね〜。」

実はこんなどうでも良い会話がAは好きであったりする。

それが分かっていてこの男も話しかけるのだ。

Aは再び窓に寄りかかり、外を見た。

「ねぇ。」

男「なんです？」

「チェンソーの悪魔が出て来たんだって。

しかも人間の姿で悪魔の力を使えるのに魔人じゃないんだって。

強そうだよね。

どんな子かな？」

男「マキマさんから聞いたんですか？」

「うん。

さっき連絡きたの。

少しの間家で預かって欲しいって。」

男「それまた大変そうな子を任されましたね。」

「まぁ、ビームで慣れてるから大丈夫かなぁ。」

ビームとはAが共に行動している魔人の名前である。

現在はビームの出張により別行動だ。

男「本当にビームくんはAさんのことが大好きですよね。」

「懐いてくれているのは嬉しいな〜。

ビーム、可愛いし。

私のお気に入りの子。」

外では幸せそうな親子が手を繋いで歩いていた。

Aはその光景が普段のビームと自分に見え、目を細める。