白のお姉さん【チェンソーマン】 (ページ30)

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29話　直球ページ30

NO side

ﾃﾞﾝｼﾞ「ふーん。

まぁ、Aさんはいつでも可愛いし綺麗だから俺はなんでもいいんだけどな〜！

俺、Aさんが化粧してるの見るの楽しいし！」

「なんで？」

そう聞くAにデンジは迷わずに答えた。

ﾃﾞﾝｼﾞ「可愛くなろうとするAさんも可愛いから！」

「！もう…本当に君って子は〜！！！」

Aは直球過ぎることを言うデンジの頭をぐしゃぐしゃとかき混ぜるように両手で撫でた。

ﾃﾞﾝｼﾞ「うぉ！？

Aさん！？」

困惑するような声を出すデンジは顔を赤く染めるAに気付くことはなかった。

「あ、そういえば…。」

Aは何かを思いついたように言うとクローゼットの方に行き、中身を開けてあるものを取り出した。

「デンジ、はい。」

ﾃﾞﾝｼﾞ「！！それ…！」

それはAが昨夜直したコートだった。

「大事に持ってくれてて嬉しかったけど、あまりにもボロボロになってたからさ。

頑張って直したんだ〜。」

Aは先程のデンジのようにピースサインを出しながら言った。

そこでデンジは朝から気になっていたAの指に巻きついている絆創膏の意味が理解出来た。

ﾃﾞﾝｼﾞ「(アレ直した時にか…？)

じゃあ、その指のやつって…。」

「あぁ、まぁね〜。

あまり慣れないことをするとこういうことにもなるよね。」

Aは苦笑いをしながら言った。

デンジはそのコートを受け取るとそれに顔を埋めた。

ﾃﾞﾝｼﾞ「ありがとうございます…。」

「いいんだよ〜。

こちらこそありがとう。

大事に持っててくれて。」

ﾃﾞﾝｼﾞ「俺、ゾンビの悪魔にやられた時にコートもボロボロにされちまって…。

それまでは綺麗に取っておいたのに…。」

デンジは表情を暗くさせながら言った。

「そっか。

それくらい大切にしてくれただけで私は嬉しいよ。」

Aはデンジの頭を撫でながら言った。

「君がこんなにボロボロになるまでこのコートを持っていてくれたと言うなら、あの時あげた甲斐があったというものね〜。」

そう言って笑うAにデンジも顔色が戻っていった。