白のお姉さん【チェンソーマン】 (ページ19)

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18話　絆創膏ページ19

NO side

「…。」

Aはそっとそれを取り、棚の奥から裁縫箱を取り出した。

「こんなことするなんていつぶりだろ…？」

針に糸が上手く通せなくて苦戦したがなんとか通し、ボロボロのコートを縫い始めた。

「(こんなになるまで持っててくれたんだ。

捨ててくれて良かったのに…。)」

時々針を指に刺して血を出すこともあったが、何とか完成させることが出来た。

コートは縫い目が少々見えるが、元の姿に近い形になっていた。

「ふぅ…何とかなったかな？」

Aの指には数枚の絆創膏が貼られていた。

「針も痛いものだなぁー。」

自分の指を見つめながらグラスに入れた酒を飲んだ。

「まさかデビルハンター以外で怪我をするとは…。」

時計は夜の1時を指していた。

「(ベッドまで移動するのめんどくさいな…。

デンジくんも爆睡だし…。)

ここで寝るかー。」

すぐ側に置いてあった大きめの人をダメにするクッションに、自身の上半身を横たわらせるとデンジの腕を引く。

デンジの体はそのまま倒れ込みAの上に覆い被さった。

Aはそのままデンジの顔を自分の肩に置かせて、タオルケットを2人の上にかける。

そしてそのままデンジを抱き締めた。

デンジは全く起きることなく眠り続けている。

腕に収まりきらないデンジの体の大きさにAは彼の成長を感じていた。

「(…あの時は私よりも全然小さかったのに。

いつの間にこんなに大きくなってたんだ。

でも、細い。)」

筋肉のあまりついていない不健康な体にAは眉を顰めた。

「(ここを出て行くまでにいっぱい食べさせてあげなきゃね〜。

アキちゃんのところに行くんだっけ。

デンジくんと喧嘩になりそうだなぁ…。

でも、お互いにいい刺激になると思うんだよねぇ。

その頃にはビームも帰ってくるだろうし。

これから公安も、もっと賑やかになりそうね。

…ふふっ。

小さく口を開けて寝ちゃって、可愛い。)」

スヤスヤと寝るデンジにAは笑みをこぼした。

「…おやすみ、デンジくん。」

そう言うとAもそっと目を瞑った。