白のお姉さん【チェンソーマン】 (ページ15)

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14話　風呂ページ15

NO side

「よし、始めようか。」

ネクタイと第1ボタンを外して、ワイシャツとズボンを捲ったAだった。

ﾃﾞﾝｼﾞ「…。(…ダヨナ。)」

デンジの妄想ワールドの実現は呆気なく消えていった。←

「じゃあ、まずは頭を洗おっかー。」

そんなことをデンジが考えているとは知らないAは淡々と説明を始めた。

シャンプー、リンス、ボディソープ。

始めはAがやってやり、後からデンジにやらせるのを繰り返した。

「よし、これでオッケ〜。

後はゆっくり湯船に入って温まってね。」

最後にAはそう言うと浴室を出ていった。

ﾃﾞﾝｼﾞ「…なんもなかったなぁー。

でも、胸はデカかった。

ツラも最高。」

デンジや1人湯船に浸かりながら呟いた。

ﾃﾞﾝｼﾞ「(あと…。)髪と目、相変わらず綺麗だったなぁー。」

明るい部屋の中で改めて見たAの銀髪と薄紫の瞳は酷く神秘的だった。

特に瞳の方は先ほどまでサングラスで隠れていた為尚更だった。

ﾃﾞﾝｼﾞ「…なんで俺なんかに優しくしてくれんだろ？」

デンジはふと疑問に思った。

マキマに命令されて家に置くのは分かる。

でも食べたいと言ったものを全部買ってくれたり、頭や体の洗い方を教えたりまでしてくれるのは些か至り尽くせり過ぎなのではと思うのだ。

昔にしてくれたことなんて普通の人間なら見捨てるのが普通だろうに。

貧乏で汚くて臭かった自分に何故優しくしてくれたのだろうか。

いつもなら『自分のことが好きなんだ思考』に直結するに至るが、Aが相手になるとなぜかその思考にはならなかった。

ﾃﾞﾝｼﾞ「んー？」

デンジは頭を悩ませた。

ﾃﾞﾝｼﾞ「…まぁ、考えたって分かんねぇか！

俺らしくねぇ！！」

考えることをやめたデンジは湯船から上がり、浴室を出た。