◆6 夢と願い事 ページ6
気がつけばあたりは真っ暗、たった一人きり。
そして何か得体の知れない恐怖のような居心地の悪さを感じる。
恐る恐る手を伸ばしてみると気持ちの悪い感触を覚えて、直ぐに手を引っこめる。
ぎゅっと目を瞑って時間が過ぎるのを待っていると、
｢大丈夫ですか、｣
その声でふわりと安心感に包まれる。
目を開けて顔を見ようとすると_____
あ、夢か、
私は暖かい毛布に包まれていて、今日も耳元で忙しなくアラームが鳴っていた。
もうちょっとで顔まで見れたのにな〜、
と少し残念に思いつつもベッドからのそのそと起きて準備を始める。
着替えて顔を洗ってお弁当を作り終わったら、余裕を持って家を出た。
(今日もみんな元気で、誰も死にませんように、)
通学路にある小さな神社に、今日も通りすがりに小さな願い事をした。
_______________
｢ねぇ、好きな人出来たでしょ？｣
6時間目が終わって帰ろうとした時、友達のミカにそう声をかけられた。
『え、何それ、なんで？』
｢だってA、今日ずっとボケ〜っとしてたから｣
朝方の夢のせいでもあるのか、確かに今日はあのお兄さんのことを考えることが多かったかもしれない。
今何してるんだろう、とか、
今朝はジャムを塗った食パンを食べたのだろうか、とか。
…ここはシラを切っておこう。
ミカは色恋沙汰が大好きだ。こんなことを話したら騒ぎ立てるに違いない。
『え〜？そうだったかな〜、』
｢ま、何か悩みあるなら言いなさいよ、いつでも恋愛相談乗るからさ！｣
ミカはバチッと下手くそなウインクをキメてにやりと笑い、私の背中をばしばしと叩いた。
『てかあんたの彼氏そこで待ってるよ、ほら』
｢あ、ほんとだ！じゃあA、また明日ね〜！｣
『はーい、ばいばーい』
すぐにイチャイチャし始める二人を見送り、
バカップルが、と思いつつ教室を出た。
下駄箱で靴を履き替え、靴をとんとんと鳴らす。
他の生徒を横目に校門を出て、その先に続く下り坂を降りていく。
友達と楽しそうに下校する人達、部活に勤しむ人達、我先にと自転車で坂を駆け下りていく人達、、
青空が広がる、青春の1ページのようなこの風景の中で、私はまだお兄さんのことを考えていた。
....お兄さん、いきなりそこの角から曲がってきたりしないかな、
そんなありえないことを考えながら、
でも少しドキドキしながら足を進める。
あと3歩、2歩、1歩、
角を真っ直ぐ行こうとした瞬間、人にぶつかった。
.....え、まじか
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麦踏(プロフ) - せつなさん» せつなさんありがとうございます！！とっても嬉しいです；； (2021年3月29日 4時) (
レス) id: b9c2e389f7 (このIDを非表示/違反報告)
せつな - とても面白いです、、!! (2021年3月25日 19時) (レス) id: 7d809df817 (このIDを非表示/違反報告)
麦踏(プロフ) - あるみくさん» あるみくさんありがとうございます！！めちゃくちゃ嬉しいです；；亀更新ですがこれからもお読みいただければ幸いです！！！ (2020年12月24日 1時) (レス) id: b9c2e389f7 (このIDを非表示/違反報告)
あるみく - え…好きです←唐突。え…おもろ…飛びそうなくらい好きです。頑張ってください (2020年12月23日 23時) (レス) id: 8de5b8d706 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：麦踏 | 作成日時：2020年12月18日 2時
