チェンソーウーマン・デンジちゃん ◆３◇ (ページ5)

今日:6 hit、昨日:13 hit、合計:14,848 hit

◇90.朝ごはんページ5

デンジ side
.

＿＿デンジちゃん……デンジちゃん

　自分の名前を呼ぶ声が聞こえてきて、ゆっくりと目を開けた。ボヤ～っとする視界の中に人がいるのがわかった。地面が硬い。寝心地最悪、ああ…私、床で寝てたからか、体がギシギシすると思いながら、目の前の姫野を見た。

姫野「デンジちゃんおはよ。」

　「朝ごはん食べれる？」と、姫野は言ってベランダがるほうを指した。のそのそと起き上がっる。体が痛てぇ……。なんで私姫野にふとん譲ったんだろ。私が客なんだから、もっと客にいい待遇しろよ。なんて言おうとしたけど、ベランダに用意されていた豪華な朝食を見てその考えは吹っ飛んだ。
　さっそく、焼かれたパンを食べる。早パイが作るパンとは、ちょっと違う味がする。早パイのパンのほうがかてぇ。姫野のやつは柔らかくて…食べごたえがねぇな。だけど、早パイの家のベランダはアブねぇから普段出してもらえないけど、姫野のベランダは広くて眺めが良かった。『…人を見下ろしながら食う飯はうめえな』なんて言いながらパンを一枚完食した。

姫野「デンジちゃん昨日の夜。私酔ってて何も覚えてないんだけど。私に乱暴なことされなかった？」

『……誰が、ゲロ女とやっかよ。私はぁ、初めての女どーしのエッチはマキマさんって決めてんだ。』

　女同士のはやったことねぇから、マキマさんに捧げる。絶対誰かに誘惑されても私はマキマさんとしかやらない。初めてはないからな。ファーストエッチじゃないんだ。じゃあ、これからマキマさんに捧げるのがセカンドエッチってやつ？
　むしゃむしゃパンを食べながら考えていると、姫野は「あ～よかったよかった。未成年に手出したら、逮捕だからね～逮捕～」と言って椅子の上であぐらをかいた。そして机に肘をついて私のことを見る。

姫野「…デンジちゃんは変わってるね。普通。この状況とか気まずくて帰ると思うだけど」

『はあ？タダメシ食えるのになんで帰るんだよ』

　『早パイんちでも食えるけど、わざわざ帰んなくてもタダ飯くえんなら、食ってく』と言うと、姫野は「なんか……デンジちゃんって、デンジちゃんだから安心する。」なんて、意味わかんねぇこと言ってきた。私がデンジちゃんじゃなかったら、他の誰がデンジちゃんなんだよ。

.