【TP4】続・Friday nightに逢いましょう【ky】【uszw】

50.悪路 ページ1

【ガッチside】

夜明け前が一番暗いとかいう言葉があったな、なんて思いながら、俺は慎重に運転を始めた。空は白んで来ているが、鬱蒼とした森の中はまだまだ暗いし、道はデコボコとして曲がりくねっているし、何よりかなり古いタイプの左ハンドルだし。

定員オーバーだからなのか、車体はとても重く感じる。スピードにして時速10キロくらいしか出ていないと思うが、確実に出口に向かう事を優先したい。4人の命を預かっているんだから、責任重大だ。

レ「これで…出口に行っても戻らなかったら」

キ「やめようよレトさん。大丈夫だよ、絶対」

牛「絶対って事はないけど、これが一番堅い方法の筈だよな」

ガタン！カーブを曲がるのに合わせて、車は大きく揺れる。

ガ「ごめん、揺れるよ」

A「はわっ、」

キ牛「「おっと、大丈夫か」」

バックミラー越しに、真ん中に座って不安定なAちゃんをうっしーとキヨが同時に支えてるのが見えた。…どうなるのかな、この3人。


クネクネと曲がりくねった道を漸く抜けると、少し大きめのT字路に出た。

ガ「レトさん、これどっちだっけ？」

レ「うーん、右でいいんじゃないかな？」

仄暗いデコボコ道を、ゆっくりと進む。…もう少し、もう少しで、元の世界に戻れるんだろうか。逸る気持ちを抑えながら、確実に安全運転で出口を目指している、その時だった。

ヘッドライトに照らし出された、突然の大きな人影に思わず急ブレーキを踏む。


キキーーーッッ！！
嫌な音を立てて車が停まる。バン！運転席のドアがいきなり開けられたかと思うと、俺は首根っこを掴まれ物凄い力で車外に引っ張り出された。

「うわあああ！！」

キ「ガッチさんっ！！」

完全にジェイソンだ。やっぱり存在したんだ。ナイフ…慌ててポケットを探る。しかし、ジェイソンは俺を襲わず、茂みに放り投げた。

キ「ガッチさん大丈夫？！」

キヨが俺を引っ張り起こしてくれた。しかし…どうしよう、ジェイソンが現れるとは。車を壊されてしまったら、この世界から出られないかもしれない。

瞬時にそんな心配をしていると、

「きゃあああ！！」

悲鳴と共に、今度はAちゃんが車外に引っ張り出されたのが見えた。しまった！

牛「Aさん！」

キ「うっしー、何してんだよ！ちゃんと守っとけよ！…くそっ、お前、まだそんなに動けたのかよ…赤鬼」


Aちゃんを軽々抱き抱えてその細い首にナイフを突きつけていたのは、ジェイソンではなく。


ロッジに置いてきた筈のリチャードだった。


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51.再度、相見える→

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