58.帰宅 ページ9
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【A side】
「…う…ううん…」
身体が…痛い…のど、かわいた。あたまいたい…
何度か目を開いては閉じる。ん…ここ…は…？
床に寝ているようで、身体が痛い。上を向いて、天井を見た。無機質で、そして見慣れた照明。
「っえ、」
ガバッと飛び起きた。私はフローリングに寝ていたようだ。すぐ横のテーブルに置いてあるパソコンの画面には、「YOU SURVIVED」の文字が写し出されていた。
「戻…れた…」
我に返った途端、脱力してへなへなとソファに崩れ落ちた。…うちに、帰って、これた…よね？
テーブルの上にあったスマホを手に取る。14日の、午前3時。…あれ？ジェイソンのゲームを始めたのは、確か13日の金曜日の20時くらいだったような気がする。7時間しか経ってないの…？
その時、猛烈な喉の渇きと空腹感に襲われて、わたしはキッチンに向かった。冷蔵庫を開けると、ラップをかけた料理の残り物も腐らずに鎮座していた。
お茶を入れ、適当な食べ物でお腹を満たす。凄く久しぶりに食事をする気がするのに、時間が経っていないという現実。頭が混乱する。
お茶を飲み干しスマホの画面を開いてみると、亜未との通話画面が映し出された。
「！…あ…、亜未…」
そうだ…亜未は…あの世界に…
ダメと解っていても、思わず亜未に電話をかけた。
呼び出し音が、虚しく鳴り続ける。
「はあ…」
やっぱり、亜未は…もう。元の世界に戻ってきてその現実を噛み締めると、殊更悲しみが湧き上がってくる。二度と、会えないなんて…信じられない。
俯くと、自分の膝にポタポタと大粒の涙が落ちた。視界に入る脚は、あちこち擦り傷と泥だらけで薄汚れていた。
わたしは力なく立ち上がり、シャワーを浴びる為に洗面所に向かう。ふと、鏡を見ると薄汚れた顔と、見慣れない大きめのTシャツが目に入った。
「あ…これ」
白地に猫のキャラが描かれた、キヨさんのTシャツ。これを自分が着ている事が、異世界の存在を証明している。
朝になったら、キヨさんや牛沢さん達に連絡をしてみよう。とにかく、同じ経験をした人たちと話がしたい。わたしだけの夢じゃなかった事を確認しないと、頭がおかしくなりそう。
シャワーを浴びて肌の手入れをし、髪を乾かしながらスマホを見ていると、Twitterの通知が来ていることに気づく。
DMの履歴を確認して、リチャードの名前を見つけ背筋がぞわり、とした。思い出したくもない。
あの人は一体、何者だったんだろう…
と、新着のDMを確認する。
「え、あ…」
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いりや(プロフ) - ゆのまるさん» 有り難すぎる言葉、嬉しいです…初めて完結しました。ゆのまるさんに楽しんで頂けて幸せです！ポンコツ調査員、うまく書けるかわかりませんが…精一杯頑張ってみます！！ゆのまるさんの新作も牛活躍を期待しながら楽しみにしております！（牛活躍？） (2021年10月9日 8時) (
レス) id: dfbc56e474 (このIDを非表示/違反報告)
ゆのまる(プロフ) - 完結おめでとうございます！そして、ありがとうございます！私も13金すきでしてハラハラしたり笑ってしまったりと最初から最後まで本当に楽しく拝読させて頂きました！高評価、押し足りないくらい好きです！！新作の幽霊調査も更新楽しみにしております！！🥰 (2021年10月8日 23時) (レス) @page22 id: 587b75f302 (このIDを非表示/違反報告)
いりや(プロフ) - 生茶さん» コメントありがとうございます！楽しんで貰えているなら嬉しいです^ - ^頑張りまっす！ (2021年8月9日 13時) (レス) id: dfbc56e474 (このIDを非表示/違反報告)
生茶(プロフ) - いつも楽しく見てます！更新、頑張ってください！ (2021年8月9日 2時) (レス) id: 6cf296eb87 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いりや | 作成日時：2021年8月6日 15時
