46.疑念 ページ47
【キヨside】
牛「は？いやなに急に。それ、お前に言う必要ある？」
キ「…いや、ないけど。…じゃあさ、オレが好きかも、って言ったら？」
牛「それは、応援、…できないわ」
キ「うん…そうだよね。オレ、うっしーの事も凄く好きだから、見てて解るよ。うっしーの気持ち、オレも応援したいけど…できないなって気づいちゃったから。一応、言っとくね」
牛「…おう」
別にこんな事言うつもりじゃなかったんだけど。2人きりでこんな風に時間をもて余す事もそうそうないだろうし、何より…命の保証もない訳だから、言いたい事は言っておこう、と思った。
キ「元の世界に戻れたらさ」
牛「うん？」
キ「ジェイソンの実況、前みたいに続けられると思う？」
牛「いやしばらくは無理だろうな！」
キ「はは、だよね。当分見たくないよね、きっと」
Aちゃんももう、できないだろうな。友達があんな事になって…当たり前だ。
会って間もないけど…短期間で目まぐるしく変化していったAちゃんの色んな表情を思い出して、オレが守ってあげたいと思ったんだ。
【Aside】
2階の奥の部屋のベッドで寝てていいよ、と言われたものの、気が昂って眠れない。体は疲れているのだけれど、目を瞑ると亜未の最期の顔が浮かび、恐怖と悲しみに支配されてしまう。
ギシ…ベッドを軋ませて寝返りを打ったその時、キィ、とドアの開くような音がした気がした。瞬間、体が硬直し、暗闇で目だけ動かすと、大きな黒い人影がすぐ横に立っていた。
A「…！っ、」
思わず体を起こして声を出そうとすると、大きな手で口を塞がれた。
『A、僕だよ、リチャード！』
『…リチャード？』
私が落ち着くと、リチャードはゆっくり手を離し、ベッドの縁に腰掛けた。部屋と部屋を繋ぐドアから入ってきたらしい。隣にいたとは知らなかった。
『ごめん、脅かして。眠れなくて』
『びっ…くりした…ノ、ノックしてよ…』
『あ、ごめん。寝てたら起こしちゃうと思って』
『…亜未のこと…ショックだったよね』
『そう…日本に行って、会うのを楽しみにしてたんだ。それが、こんな形で…』
リチャードは、顔を手で覆った。私は何も言えず、慰めるように肩に手を置いた。
『画像よりずっと可愛かったし、Aもだけど亜未も小さくてとてもセクシーで…なのにあんな無惨な姿に…』
『…真っ赤な下着姿だったものね』
『そう！日本女性にしてはとても大胆な格好で…』
私はすっと立ち上がり、月明かりで照らされるリチャードの顔を見つめて聞いた。
『貴方はいつ、亜未の姿を見たの？』
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いりや(プロフ) - さんご。さん» 貴重なさんご。様のコメント頂きありがたき幸せです！私もさんご様の作品沢山読ませて頂いてます。私には書けない独特のキレ味がたまりません。さんご様の期待に添えるよう、残りの話も頑張ります。 (2021年8月4日 23時) (
レス) id: dfbc56e474 (このIDを非表示/違反報告)
さんご。(プロフ) - ランキングで見て気になっていたので飛んできました！めちゃくちゃ面白いです、、私中々他作品にコメ残すことないのですがこれはぜひ感想を伝えたくて書かせてもらいます、、！これからの更新楽しみに待っております！ (2021年8月4日 12時) (レス) id: 964fb42fef (このIDを非表示/違反報告)
いりや(プロフ) - ゆのまるさん» ひええ、ゆのまる様に読まれているとは…ありがとうございます！占ツクで初めて読んだのもお気に入り作者様第一号もゆのまる様です。牛さん新作も必要以上にチェックしてます、ゆのまる様を惹き込めた自分に乾杯☆ (2021年8月3日 23時) (レス) id: dfbc56e474 (このIDを非表示/違反報告)
ゆのまる(プロフ) - はじめまして、先程誤字があったのでもう一度送ります。すみません（ ; ; ）通知がきてすぐ読ませて頂いてますが、お話が凄く面白くて毎度読むたびに惹き込まれております…！今後のお話の展開もの凄く楽しみにしております（ ; ; ）無理せず頑張ってください…！ (2021年8月3日 23時) (レス) id: 587b75f302 (このIDを非表示/違反報告)
いりや(プロフ) - 颯希さん» お読みいただき有難うございます！すみません、続編作ったのですがまだ公開してませんでした。こちらでもう1話公開してからの続編になるのですが、先に作ってしまった故に紛らわしくなってしまったので一度削除しました。少しだけお待ちくださいませ。 (2021年8月3日 20時) (レス) id: dfbc56e474 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いりや | 作成日時：2021年6月14日 23時
