36.あぶねー ページ37
【Aside】
ロッジ付近の家をあらかた調べたわたしと佐々木…牛沢さんは、ゲットしたアイテムを抱えてロッジに向けて歩いていた。
A「ガソリンとバッテリー、ありましたね。でも車、4人乗りだから全員は乗れないんだ…」
牛「2人乗りもあるはずだし、ボートもあれば一応脱出手段の乗り物は全員分あるんじゃないかな。それで元の世界に帰れるのかはわからんけど」
牛沢さんがバッテリーとレンチを持ち、わたしがガソリンを持ってロッジへの緩やかな坂をくだっていると、
A「はわっっ！！」
牛「あぶなっ、」
ガッツリ木の根っこにつまづいたわたしは転がるのを覚悟してギュッと目を瞑った。しかし、次の瞬間わたしは牛沢さんの背中に全身を預けていた。
牛「ふぅー、あぶねー。両手塞がってっからな」
そう言うと牛沢さんはゆっくりと立ち上がってわたしを立たせてくれた。わたしが転んだ一瞬の隙に、わたしの前にかがみ込んで背中で受け止めてくれたらしい。…それだけでもかっこいいのに、バッテリーを持っている右手の脇にレンチを挟んで、
牛「ん。」
と左手を差し出してきた。…えっと、これは…
何か渡すのか、と左手に持ったガソリン、もしくはこっそりパンツの脇に挟んであるナイフの事を考えていると、牛沢さんがわたしの右手をパッと握って歩き出した。
A「へ？あ、あのっ…」
牛「この辺、あちこち根っこが出っ張ってるからな。転んだらパンツ丸出しになっちまうぞ」
クックッ、とこちらを見てニヒルに笑いながら、グッとわたしの手を引いて牛沢さんは歩き出した。自分の顔が赤くなっているのを自覚しながら、慌ててついて行く。…たしかに今転んだらパンツ丸出しだ、それは避けたい。
【キヨside】
パッカナックロッジが見えてきた。リチャードは「oh!」とか言ってなんかペラペラ喋り出したけど、ちっとも何言ってるかわからない。3人でロッジに入ると、ガッチさんが出迎えてくれた。
ガ「おかえりー…って、ああ…もしかして？」
レ「リチャード氏ですぞ。殺されかけたでござるよ」
ガ「おお、それはそれは…こっちは、ヒューズ見つけたでござる！リチャード氏、直せるかな？」
キ「Aちゃんたちは？…ほら、リチャード英語しか話せねんだよ」
ガ「まだ戻ってこないなあー」
…大丈夫なのかよ、あの2人。まさか、やられたりしてないよな。
急に不安に駆られてオレは走ってドアを出た。ロッジの前の道に飛び出してオレが見たものは、
仲良く手を繋いで道を下ってくるうっしーとAちゃんだった。
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いりや(プロフ) - さんご。さん» 貴重なさんご。様のコメント頂きありがたき幸せです！私もさんご様の作品沢山読ませて頂いてます。私には書けない独特のキレ味がたまりません。さんご様の期待に添えるよう、残りの話も頑張ります。 (2021年8月4日 23時) (
レス) id: dfbc56e474 (このIDを非表示/違反報告)
さんご。(プロフ) - ランキングで見て気になっていたので飛んできました！めちゃくちゃ面白いです、、私中々他作品にコメ残すことないのですがこれはぜひ感想を伝えたくて書かせてもらいます、、！これからの更新楽しみに待っております！ (2021年8月4日 12時) (レス) id: 964fb42fef (このIDを非表示/違反報告)
いりや(プロフ) - ゆのまるさん» ひええ、ゆのまる様に読まれているとは…ありがとうございます！占ツクで初めて読んだのもお気に入り作者様第一号もゆのまる様です。牛さん新作も必要以上にチェックしてます、ゆのまる様を惹き込めた自分に乾杯☆ (2021年8月3日 23時) (レス) id: dfbc56e474 (このIDを非表示/違反報告)
ゆのまる(プロフ) - はじめまして、先程誤字があったのでもう一度送ります。すみません（ ; ; ）通知がきてすぐ読ませて頂いてますが、お話が凄く面白くて毎度読むたびに惹き込まれております…！今後のお話の展開もの凄く楽しみにしております（ ; ; ）無理せず頑張ってください…！ (2021年8月3日 23時) (レス) id: 587b75f302 (このIDを非表示/違反報告)
いりや(プロフ) - 颯希さん» お読みいただき有難うございます！すみません、続編作ったのですがまだ公開してませんでした。こちらでもう1話公開してからの続編になるのですが、先に作ってしまった故に紛らわしくなってしまったので一度削除しました。少しだけお待ちくださいませ。 (2021年8月3日 20時) (レス) id: dfbc56e474 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いりや | 作成日時：2021年6月14日 23時
