【TP4】Friday nightに逢いましょう【ky】【uszw】

21.探索 ページ21

キ「状況を整理しよう」

A「はい」


オレとAさんは、暖炉の前の椅子に座り、自分たちの置かれている現状を整理した。

キ「オレもAさんも、自宅のPCでジェイソンのゲームをプレイし、ジェイソンキルをした。しかしゲーム画面がバグり、気づいたらこの家にいた」

A「はい。わたしは、2階のあの部屋のベッドで眠ってました。」

そういうとAさんは、ここからも見える2階の一室のドアを指さした。

キ「そしてオレは、この絨毯の上に倒れてた、と」

A「完全に死んでると思ってました…脈もなくて、それで心臓の音を聞いてみたら、スーパーマンさんに急に引っ張られて、上に乗っちゃって」

キ「あーオレ、脈ないからなあ。あ、Aさん。オレの事は、キヨって呼んで。スーパーマンて長いでしょ笑」

A「あ、はい。キヨ、さん。なんか聞いた気がします、ゲームの中でも」

キ「そうだね、うっ…しざわと、華声なんとかはレトルト、入間はガッチさん、そんでオレ、キヨ。この4人でなんて言うか…チーム組んでる」

A「…もしかして、ですけど…この状況って。他の皆さんも…？」

キ「あっ…」

そうか、落ち着いて考えてみれば、そうだ。
同じ環境にいたオレとAさんが、同時に異常な事態に見舞われたのなら。
同じ環境にいたのは少なくともあと4人、いることになる。

オレたちは、どちらともなく立ち上がった。広そうなこの建物を、隅々まで調べてみる必要がある。

この時オレはまだ、ここはせいぜい北海道の田舎によくある、山小屋かペンションみたいなものだと思っていた。だからちょっと、旅行気分で高揚していた。

キ「2階、見てみようか」

オレがそう言ってAさんを手で促すと、Aさんは「お前が先にいけ」と言わんばかりにじっと見てきた。作戦失敗。仕方なく先に階段を上がる。

Aさんが寝ていたと言う部屋に入る。簡素なベッドと家具が並んでいるだけのシンプルな部屋。クローゼットの中は空っぽ、残り二つの部屋も同じだった。


一階に戻り、小さな部屋に入る。Aさんはオレの後ろにピッタリ付いて、恐る恐る覗き込んでいる。どうやら相当なビビリのようだ。

キ「そんなんで、よくジェイソンやってたねえ？」

A「確かに…一人だったら絶対やってなかった。亜未にどうしても、って頼まれて。自分ちで、ギャーギャー叫んでましたよ」

それを想像して口角上げながら聞いていたオレに、引き出しを物色していた彼女は震える声で言った。


A「…キヨさん…これ…」

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