深澤先輩、あのね、 (ページ7)

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33話ページ7

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言うなら、今しかないと思った。

「私ね、目黒のこと好きだよ。
…でもね、それは友達としての好きなの。
目黒の気持ちには応えられないけど、……これは私の我儘になるんだけど…これからも友達でいたい。
目黒は、私にとって、大切な人だから」

つっかえながらも、ちゃんと気持ちを伝えることができた。
目黒はじっと聞いて待ってくれた。

もしこれで、やっぱり元の関係に戻れないと言われてしまえばそれまでだ。

当然だ。
どちらかが納得しない関係に意味はない。

しばらく無言の時間が続くと、やっと目黒は口を開いた。

目「………まあ、Aならそう言うよな」

その顔は、いつもの優しい笑顔なのにどこか寂しそうで、胸が苦しくなった。

目黒を好きになれたら幸せだったんだろうな…という考えが一瞬頭をよぎり、そんな自分に辟易とした。

そんなの、目黒に対して"誠実じゃない"。

目「いいよ、友達、やり直そ。…でも、ちょっとだけ時間ちょーだい」

「うん、待ってる」

きっと元みたいな友達には戻れない。
だけど、これまで過ごした日々は嘘じゃないから。

私たち、きっとまた一から友達になれるよ。
なんか分かんないけど、そんな気がする。

なんだか無性に笑いが込み上げてきて、2人してクスクスと笑い合った。

教室を出ると扉のすぐそばで康二くんを見つけた。
目が合うと分かりやすく「あちゃ～」という顔をする。

向「ないとは思ってんけど、殴り合いになったら止めに入ろう思ってな～…。まぁでも、その様子じゃ仲直り出来たみたいやね」

「うん、ありがとう康二くん」

目「康二、ありがとう」

向「めっちゃ照れる～！ええんやで！俺は2人の友達やからな！」

胸を張って言う康二くんを連れて、3人で部活に向かった。

部長に説明しとくと言った康二くんも教室に残ってたので、3人とも遅れて軽く説教をくらってしまったけど。

それも私たちらしくていいじゃん、なんて。

時間はかかるかもしれないけど、またこうして他愛もないことで笑える日が来ますように。

そう願いながら、みんなに混ざってストレッチを始めた。