深澤先輩、あのね、 (ページ4)

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30話ページ4

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「えっ…でも……あれ、そうなの、かな？」

ただ先輩を尊敬してるだけの後輩なら、片思いの相手がいても彼女がいないなら安心出来るという解釈…？

どうしよう、混乱してきた。

瀬「えーヤバイよ、深澤先輩めちゃめちゃズレてるよ」

「先輩を酷く言わないで」

瀬「ごめんって。でも実際さ、よく分かんないよね。そこがミステリアスならいいけど、深澤先輩はそういうキャラじゃないじゃん」

まあ、確かに…
ミステリアスは宮舘先輩の方がしっくりくる気がする。

屋上の小さな日陰にしゃがみこんだまま、私たちはなんとか先輩の真意を読み解こうとするけれど、答えは出なかった。

瀬「これはあれだな、先に目黒くんと仲直りしよう」

「…まじ？」

瀬「いつまでもこのままでいいの？あんたたちめっちゃ仲良かったじゃん」

それはまあそうなんだけど。

私は目黒に好きと言われても友達にしか思えないし、これから先もあり得ないと思ってる。
でも果たして目黒は私とまた友達になってくれるのだろうか。

あんな情けない姿見て、幻滅したんじゃなかろうか。

「目黒といるとさ、楽だったんだよ。でもさ、知らぬ間に私は目黒のこと傷つけてたのかもしれないと思うとさ…なんか…」

そう、私はずっと深澤先輩のことを目黒に相談とか報告とかばっかしてた。
それをいつも目黒は呆れても馬鹿にはしないでちゃんと聞いてくれた。
私はそれが嬉しかった。
その時の目黒の気持ちなんて知らずに。

「でも……私、まだ目黒と友達でいたい」

瀬「それをさ、ちゃんと伝えようよ。まずはそこからだよ」

「うん」

言えるのかな、私に。

友達として好きだから、気持ちには応えられないけどまた一緒にいて欲しいなんてそんな欲張りで自分勝手なこと。

でも嘘偽りのないこの気持ち、ちゃんと言わなきゃって思う。

もう、私のこと嫌いかもしれないけど…目黒は私の大切な友達だから。

瀬奈は元気付けるみたいに、私の手をギュッと握ってくれていた。