深澤先輩、あのね、 (ページ3)

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29話ページ3

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瀬「AAAA！」

「瀬奈、ちょっと落ち着いてよ」

瀬「いや無理でしょこんなん！あんたと目黒くんどうしたの？喧嘩しちゃったの？」

昼休み。
食堂で1人ラーメンを食べる私に、同じ部活の瀬奈が凄い形相で駆け寄ってきた。

瀬奈の言いたいことは分かる。
いつも一緒に食べてるはずの目黒がいないことを言ってるのだと。

瀬「見てよあそこ！女子たちがここぞとばかりに集まってるじゃん！」

「ねぇ～凄いよね」

視線の先には男子とご飯を食べる目黒の周りにたくさんの女子が集まって話しかけてる光景があった。

久しく見てなかったそれに、そういやあいつモテるんだった…と思い出す。

瀬「え、マジでどうしちゃったの？昨日何かあったの？」

瀬奈はカツカレーがのったトレーを置いて私の目の前の椅子に座った。
その顔には心配とちょっとの好奇心が滲んでいる。

「………はぁぁあああ」

瀬「うわっ、なんつー重い溜息を…聞いてあげるから話してみ？」

話して楽になりたい。
でも話せるほどまだメンタル回復してないんだよな～…。

頭を抱える私に「麺伸びるから先に食べたら？」と呑気な声がかけられた。

心配してるの？してないの？どっちなの？

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瀬「えっ、意味分からんどういうこと？」

「私が聞きたい…」

食べ終わって人がいない場所を探して屋上に行き着いた。
昨日の出来事を思い出せる限り全部話す。

目黒に告白まがいのことを言われたこと、先輩には片思いの相手がいること…

改めて色んなことが同時に起こりすぎてキャパオーバーになりそう。

瀬「深澤先輩はさ、Aの気持ち知ってるよね？それで片思い中だから大丈夫だよ…？ええっ？」

「難しいです先輩…」

瀬「告白したんでしょ？それでそのセリフって…」

「告白してないよ？したのは目黒」

瀬「えっ？」

「え？」

何かおかしいこと言った？

瀬奈は口を半開きにしたまま私を見つめ、いきなり肩を思いきりつかんだ。

瀬「好きって言ってないの！？」

「いつも好きです！って言ってるよ」

瀬「あの口癖みたいなやつ？」

「嘘でしょそんな風に見えてるの？」

私たちは少しの間無言で見つめ合い、私はなんだか不穏な空気を感じた。

あれ、これなんかヤバイ感じ…？

瀬「深澤先輩さぁ…Aは後輩として自分のことが好きって思ってるんじゃない…？」