1日目 ページ7
「あれ、先輩お財布持ってどこ行くんですか?」
「お昼食べてくる」
「えっ、ついにちゃんとした食事を…!?」
「…行ってきまーす」
パソコンの時計が13時を示したので席から立ち上がると、隣で仕事をしていた西崎が大袈裟なくらいの反応をした。
あそこまで驚くことなくない?人を珍しいもの見るみたいにさぁ…。
私って西崎の中でどんな風に見えてんの?
…毎日メロンパン食ってるアラサー女か…
自分で言って自分でダメージ受けてどうするよ私。
休憩室に行く前にペットボトルのお茶を2本買う。
ついに今日からお弁当を貰うわけだけど、今更ながらほんとにいいのかな、と思う。
いくらよく話す同期とは言え、会社以外での交流もない女に弁当渡すメリットってなに?
ここしばらく恋愛に遠ざかってきたのでもう分からないけど、少しは好意があるのか?
…うん、ないな。100%ない。
お人好しなだけに100億かける。
だってそんな素振り、一度だって感じたことない。
それにあのルックスで彼女いない方がおかしい。
聞いたことないけど、きっと美人な彼女の1人や2人いるでしょ。
あとで聞いてやるか。
そんなことを考えてるうちに目的地についた。
中に入るとすでにいつもの定位置に宮舘がいた。
「よっ、おまたせ。はい、これ」
「あぁ、ありがと」
お茶を渡しながら隣に座る。
いつものことながら、今日もここは2人だけだ。
美女にお昼を誘われたりしないんだろうか。
「じゃあこれ、水野のお弁当。割り箸でいい?」
「うん、ありがと。今度から自分で持ってくる」
「ん、了解」
目の前に置かれた白い二段の弁当箱は、なんだか高校時代を思い出す。
隣の弁当箱は大きい一段弁当なので、わざわざ用意してくれたんだろう。
「これ、いくらだった?払う」
「あー、いいよ。妹のやつ借りただけだから。気になるなら新しいの買うけど」
「いや、そういうことなら有り難く」
「どうぞどうぞ」
手を合わせて、パカッと蓋を開けると途端に空腹を刺激する匂いが鼻を包んでお腹が鳴ってしまった。
「……」
「……良かったよ、まだそういう恥じらいがあって」
「ねぇ、私のことなんだと思ってるの?」
「ふはっ、耳まで赤い」
「うるっさ」
なんなんだみんなして。
バカにしてんのか。
人並みに恥じらいくらいありますよ、そりゃ。
313人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
chaco(プロフ) - ゆーさん» コメントありがとうございます( ; ; )そう言って頂けてほんとに嬉しいです!モチベ上がります!更新気長に待って貰えると嬉しいです…! (2020年7月5日 11時) (レス) id: c6e12b87e6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆー - この作品大好きです!更新楽しみに待ってます! (2020年7月5日 9時) (レス) id: e5c4ac2d18 (このIDを非表示/違反報告)
chaco(プロフ) - まり姉さん» コメント文字数だと説明しきれないので、「はじめに」という説明を追加しましたのでそちらを確認して頂けますと幸いです。紛らわしくて申し訳ございませんでした。 (2020年6月20日 11時) (レス) id: c6e12b87e6 (このIDを非表示/違反報告)
まり姉(プロフ) - 8日目の次が13日目になってますが・・・ (2020年6月20日 3時) (レス) id: 632dd79117 (このIDを非表示/違反報告)
chaco(プロフ) - はるにゃさん» 初めまして!嬉しいお言葉をありがとうございます( ; ; )涼太くんの可愛さが伝わって嬉しいです〜!更新頑張りますのでこれからも宜しくお願いします! (2020年6月16日 21時) (レス) id: c6e12b87e6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:スゴイピーマン | 作成日時:2020年6月3日 22時