できそこないの正義のヒーロー ページ38
(廉サイド)
廉「えっ！えぇっっ!?」
角を曲がって、思わず持っていたカバンを地面に落とした。
マ、マジか…!!こんな激しい路チュー初めて見たぞ!!つーか、路チュー自体、初めて見た！
振り向いた男は、いつもAを駅から家まで送っているあの爽やかマンだった。
その男の後ろに見えたAの顔を見て、体にピキーンと電流が走った。
Aは泣いていた。
廉「おま…Aに何しとんじゃーっ!!」
俺のパンチはそいつの腕の盾に簡単に弾かれ、俺の顔面の前で拳が寸止めされていた。
神「ごめんね？俺、空手黒帯なんだよね」
廉「は、はぁ〜〜〜っ!?」
普通の相手でもほぼ勝てる相手なんておらんほどか弱い俺が、空手有段者に勝てるわけないやろ〜〜っ!?
でも、だからって、この状況で逃げ出したら男やないっ!!
廉「おりゃぁ〜っ」
デタラメに拳を振り回す。
神「もぅ、懲りない子だね。本当は素人相手に手なんか出したくないんだけど、ちょっとだけ、大人しくなってもらうよ？」
廉「うっ…！」
コツンと一発、みぞおちにパンチを食らった。
ものすごい手加減してくれた感はあったが、痛いものは痛い。
「廉くんっ！大丈夫!?」
膝から崩れ落ちた俺にAが駆け寄る。
俺、かっこわる…。
女の子のピンチにかっこよく現れて、アチョー！っと敵を倒す…なんて、俺にはできひん…。
でも、俺を殴ることで気が済むなら、いくらでも受けて立つ。
そんな方法でしか、守れんけど、それでも…！
あれ、なんで俺、こんなにムキになっとんのや？
痛いのとかめっちゃ嫌いやし、女のために体張るとか、らしくない。
でも、とんだできそこないの正義のヒーローやけど、それでも今こいつを守れるのは俺だけや。
廉「だ、大丈夫や…。お前のことは俺が守っ…」
「Aっ!?」
伸ばしかけていた俺の手が、Aの頬に到達する前に、背後にハスキーな声が響いた。
「紫耀くんっ…!!」
そして、すり抜けていく。
伸ばした俺の手の横を足早に。
現れた本物の正義のヒーロー。
そのたくましいその胸に飛び込んでいく。
そして、正義のヒーローになり損ねた貧弱な男は、伸ばした手をどうしたらいいかも分からず、虚しくその場に取り残されていた。
だから心に決めていたはずだろう？
女になんか優しくするなって。
俺がどんなに一生懸命守ろうとしたって、どうせ離れていくんだ。
あの女のように…。
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ちゃちゃ(プロフ) - sinaさん» わぁ〜！初の応援コメントありがとうございます！とっても励みになります！こちらのサイトでは初の作品投稿となりますが、ぜひ最後まで見届けていただけたら嬉しいです！ (2021年6月16日 22時) (
レス) id: eef06e524c (このIDを非表示/違反報告)
sina(プロフ) - 面白いです。更新頑張って下さい。 (2021年6月16日 17時) (レス) id: e7c909fbb9 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃちゃ(プロフ) - .さん» ご指摘ありがとうございました(汗)初めて投稿したもので、やり方がわからず、すみません…!今外しました! (2021年6月10日 13時) (レス) id: e191a59bbe (このIDを非表示/違反報告)
. - 二次創作ですので、オリ〇ラ、外してくださいね？違反ですので運営に報告します。 (2021年6月10日 13時) (レス) id: 74b943358d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちゃちゃ | 作成日時：2021年6月10日 13時
