【イナイレ・イナGO】甘いお話好きですか？5短編集 (ページ3)

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推し活③after*吹雪士郎ページ3

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｢士郎くん、撮って撮って！｣

吹雪｢ふふ、わかった｣

推しの等身大パネルの前でうっきうっきでポーズを取ると
士郎くんが写真を撮ってくれる

撮ってもらった写真を確認すると、
表情筋ゆるゆるの私が写っている

自分で言うのもあれだけど、私すっごく嬉しそう

吹雪｢Aちゃん、楽しい？｣

｢すっごい楽しい！ありがとう士郎くん！｣

今日、私は初めて推しのコンサートに来ていた

北海道に住んでるとコンサートに行く、なんて考えられなくて
私は当たり前のようにブルーレイディスクが出たら買おう、
なんて思っていた

都会に行くのはお金がかかるし、
飛行機とか新幹線とか怖いし……

電車も北海道と都会じゃ全然違うんだろうな、って思うし……

そんな当たり前のように諦めていた私に
士郎くんは、僕も行きたいから一緒に行かない？
そう言ってコンサートのチケットを渡してくれた

20歳の誕生日に推しのコンサートのチケットを
プレゼントしてくれたのだ

渡された時は、嬉しくて泣いてしまった…

士郎くんは、私の話に付き合ってくれているだけで
アイドルにハマっているわけじゃない

それなのに、コンサートのチケットも取ってくれてて、
ホテルとか、新幹線とか、必要なこと全てやってくれていた

私のために……

｢…士郎くん、たくさん、ありがとう……

私ばっかり楽しんでるけど、……士郎くんは、楽しめてる…？｣

そう言うと、士郎くんは驚いたように目を見開いた後、
ふわふわと笑う

大人になって、すごくかっこよくなったのに、
笑顔は変わらずかわいい

吹雪｢……ふふ、僕もすっごく楽しいよ｣

｢……ならいいんだけど……
あ、士郎くんも写真撮る？｣

僕は大丈夫、そう言って私にカメラを向ける

条件反射で笑うと、吹雪くんはふふ、と笑って
カシャ、と音が鳴った

吹雪｢……Aちゃん、僕もね、推し活楽しんでるんだ｣

だから心配しないで、そう言って
私の手を優しく握ると、頬を染めて笑う

釣られて私も顔が熱くなる

吹雪｢……あ…、正確に言うと、推し活じゃないね

推し活を楽しんでる、
かわいい彼女とのデートを楽しんでるんだ

かわいいAちゃんの楽しんでるところ、たくさん撮らせてね｣

そんなこと言ってくるから、
私は下を向いて小さく頷くことしかできなくて
そんな私の写真も撮ると

照れてるAちゃんもかわいいね

なんて囁いてきて、また私は頬が熱くなった

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