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Nyon ページ4

猫というのは懐きにくいもの

………だと以前までは思っていた

ルーサーが飼っている猫たちは少し特殊でキャットマンと言われている

キャットマンと言われるだけあって、猫なのに人間味が強い

興味をそそられた私はニット帽を被った猫に話しかけに行った

もちろん猫なので警戒心が強く、

「近寄るな」

「触んじゃねえ」

「殺すぞ」

と、最後にはナイフをもって物騒な言葉を吐かれた

仲を深めるどころじゃない

完全に拒絶されていた

悲しい中ただ、もう1匹の猫は私のことを気にかけてくれた

「あっ、あの……」

「大丈夫ですか?」

彼の名前はニョン

先程の猫とは相反的に大人しく、落ち着いている猫だ

話しかけてくれたことが嬉しくなって触れようとしたが、避けられてしまった

当然のことだが悲しくなる

「いや、あのこれは、貴方を避けてるわけじゃ…」

「ご、ごめんなさい……」

取り留めのない理由を口にして謝罪の言葉を言われ、どこかへ逃げてしまった

***

真っ暗で静かな夜

時が経つのは早い

暇なので家をうろついていると、前方から来た大きいものにぶっかった

「うっ………痛い」

「あ……Aさん?」

声の主はニョンだった

彼は私だと分かった瞬間に口角が上がった

「えへへ、へへへへ…」

「Aさんだ」

彼はいつもの落ち着きがない

息遣いはだいぶ荒かった

こちらを見る目はどこかうっとりとしている

普段呼ぶことがない私の名前を連呼していて、少し驚いた

「あれ…Aさんが2人に見える」

「分裂でもしたんですか?」

「まあいいや……」

「どっちもAさんなのには変わりないですから」

あまりにも饒舌なので、別人かと思ってしまった

彼の手を見ると紙タバコがある

「これ、気になりますか?」

「へへ……マリファナです」

「これを吸うと、とっても心地よい気分になれるんです…」

「あ、Aさんはいい子なのでしちゃダメですからね?」

そう言うと、私の手を取り自分の頬に当てる

「ふふふ、良かった」

「Aさん…」

「Я тебя люблю(貴方を愛してます)」

「……本当ですよ?」

「どうか信じて…」

「貴方のことが大好きだから」

「好き、好き、私のそばから離れないで」

***

翌日、彼を見ると普段通りの彼だった

まるで昨日のことは何もなかったかのよう

近づいて話しかけると、いつも以上に冷や汗をかいていた

「昨日のこと…ですか?」

「わ、忘れてください…」

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ちゃー(プロフ) - 柏餅さん» わーい🙌🏻ありがとうございます🥰🫶🏻 (4月5日 16時) (レス) id: 7d56df30bb (このIDを非表示/違反報告)
柏餅(プロフ) - 神すぎますゥゥゥ! (4月5日 7時) (レス) @page3 id: 55951e8f98 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちゃー | 作成日時:2024年3月29日 0時

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