愛してんだ。2 (ページ40)

今日:1 hit、昨日:3 hit、合計:16,251 hit

91 ページ40

.

｢本当に2人とも愛し合ってるって感じ
あぁいう夫婦になろうね｣

って言う杏奈は北山さんを見ていた。

｢おう｣

俺も気づいてた、二人揃った時の雰囲気。
前とは確実に違う雰囲気。

北山さんの愛おしそうに彼女を見る目。
それに安心しきったように
埋もれる彼女。

きっと鈍感なみづきはまだ気づいてない。

だけど隠しきれてないよ。
きっとみづきが大事に思ってるのは
今俺じゃない。

北山さんであってそれ以外の
誰でもない。

俺のことはきっと未練でもなんでもなくて
ただ子離れに近い寂しさだと思う。

みづき、早く気づけよ。

きっと失った時に気付く北山さんの
存在の大きさに。

失う前に気づいてほしい。
後悔して欲しくない、大切なものに。

｢裕？｣

杏奈の声で我に返った。

｢お？｣

｢なんか今日ずっとぼーっとしてんね｣

｢お？おう、大丈夫｣

二次会も終わり店を出た時
北山さんがいち早く
女の子の輪の中から抜け出して

｢悪ぃ、俺もう帰るわ！！
嫁が体調崩してて｣

って手を前にかざし帰ろうとしていた。

｢えー、北山さん帰っちゃうのー？
もう1軒いこーよ！！｣

ってスーツの袖引っ張られてて

｢この後いこーよ！｣

って帰宅を阻止されてた、

｢だめだって～俺結婚してんの～
玉森！杏奈さん！！お幸せに！！｣

ってまた輪の中から抜け出して
今度は本当に帰って行った。

残された女の子たちは
残念そうに次行くメンバーと
帰るメンバーで別れていった。

｢ふふ、北山さん大人気。｣

隣で笑ってるけど、
杏奈もあーゆうのタイプ？

んな、わけねぇか。

｢じゃ残ったメンバー行きますかー！｣

三次会に行くと
さっきの女の子たちは今度はがやの方に
流れていてガヤは嬉しそうに鼻の下伸ばしてた

ったく、本当。
立川さん来てなくてよかったよ。

北山さんもみづきの事見てて
みづきも気づいてないかもしれないけど
北山さんのこと見てるこの関係性。
何かが変わり始めた気がした。