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｢だから、20歳の時ずっと探してた。
結果的にこんな形で出会っちゃったけど
本当に大好きで、
携帯も……
壊れちゃったから連絡先知らなくて……｣
伝えたいけど伝わらない。
何か隠して人と正面から向き合うなんて
絶対に出来ない。
歯がゆさから
だんだんジワっと涙が浮かんできて
必死で下向いて涙こらえてた。
それと同時に止まった車。
辺りを見回すと、河原で
ふーってひと息ついて
頭に手置いてのぞき込むように
｢俺だってそうだよ？
連絡急に取れなくなって心配したし
だけど、前進まなきゃって。
神様って本当意地悪。
なんで、前向いてこれからって時に
会わせてくれたんだろ、｣
裕太も同じこと思ってたんだ。
｢里奈と出会って、四年が経って
このまま結婚すると思ってた。
だけど、みづきに会っちゃったらもう
なんかわかんなくなっちゃった。｣
｢……ごめん。｣
先に謝る癖。
やめた方がいいよって言われてた。
悪いことしてないのに謝ることないって
｢俺北山さんのこと尊敬してんだ。
出来れば裏切りたくないの。｣
さみしそうな表情。
こんな顔させたいわけじゃないのに。
気持ち伝えてスッキリすると思ってたわ
なのに、こんな気持ちになるなんて。
余計虚しさが押し寄せてきただけだった。
｢……俺も好きだよ。｣
？？
｢愛してる、今でも。｣
｢……え？｣
｢ごめん、言っちゃいけなかったね。
忘れて。｣
って車から出てまた伸びしてるし。
置いてけぼりにされた私の中には
疑問と歓喜の心が入れ組んでいた。
｢出ておいでよ、涼しいよ！｣
って外に出ると本当に涼しくて
河原に座って2人で朝まで喋ってた。
裕太の弟にあった話。
昔話にも花が咲いて、
時間なんてすっかり忘れてた。
薄暗くなってきたので
気づいて時計を見ると4時。
｢ごめん、仕事だったよね。｣
｢ん、まあ。
でも楽しかったからいいよ｣
って言ったあとに
｢帰りますか〜｣
って車に戻って家まで送ってもらった。
｢また会ってくれる？｣
って聞くと
｢……ん。｣
小さく頷く裕太に背を向けた。
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作者名：みつこ | 作成日時：2018年5月19日 0時
