愛してんだ。2 (ページ16)

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新人研修が終わりそのまま直帰した。
俺らの夫婦は子供が出来てから
すごく円満になった。

｢ただいま｣

｢おかえりなさい～｣

リビングから聞こえてくる彼女の声と
おぼつきながら俺の方に近づいてくる
惟斗(いと)。
俺はこのために頑張れたんだよ～
なんて思いながら愛しい我が子を抱く

｢惟斗～帰ってきたよ～｣

って言うと

｢ミツ！手洗って！
今日はもう仕事終わったの？｣

｢終わったよ？そのまま直帰した～｣

｢そか、お腹すいた？｣

｢んー、ちょっとだけ！！｣

｢朝作ったサンドイッチの残り食べる？｣

｢ん、貰うわ～
惟斗、ちょっと待ってろ～
パパ手洗ってくるからなあ～｣

息子に甘々な俺を見る彼女も
微笑んでいて、
昔あったことが嘘のように幸せ。

｢パッパ～｣

最近ママとパパだけ言えるようになった
惟斗の成長も喜ばしいことだった。

｢いただきます！｣

２・３切れのサンドイッチを
頬張ると欲しそうに見つめてくる息子。

｢そろそろ、離乳食作り出さないと｣

ってキッチンに立ったままの
彼女。
この4日間ろくに寝れてないのか
目の下にクマが出来ていた。

｢いいよいいよ、俺やるから
ちょっと寝てきたら？｣

｢ううん、いいよ？
ミツ疲れてるでしょ？寝てて？｣

｢いいのいいの、
俺今日は帰ってきただけだから
俺がいる時くらい休んで？｣

って切り始めてたほうれん草と
包丁を置きソファーに誘導させた

｢ごめんね？ありがとう……｣

って申し訳なさそうに言うみづき

いつも、我慢させてるお礼だよ。
こんな事で出来たとは思ってないけど
少しでも力になりたかった。

｢そおいえば会社でBBQあんだけど来る？
お義父さんの一声で決まったことなんだけど
GWにみんなでやろうって｣

って言うと途端に視線は下に向いた

やっぱり2年経った今でも
まだ気にしてんの？
忘れかけてたあの時のこと。
思い出しちゃったかな。

｢……別に嫌ならいいけど｣

｢ううん！行こうかな！！
惟斗もお外出したいし！！｣

無理に明るくする彼女は
痛々しかった

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