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｢お金は払うよ、貸し借りとか嫌なの｣
って言う私に
｢男が払うもんだと思ってるから要らない。｣
って押しやられてしまった。
｢さあ〜帰るかあ〜
眠くなってきたわ〜｣
って運転席で欠伸をする裕太は
子猫みたいで目とろんってしてた。
｢本当に帰る？｣
横顔を見つめてると、急に顔近づけてきて
｢こら、既婚者はそんな事言わないの
ちゃんと家に送り届けます｣
って、車を発進させた。
離れたくないよ。そんなの。
離れなくちゃだめなのも分かってる。
赤になり車を停止させた時に
窓の外見てる裕太が
｢……さっきの顔反則。｣
｢え、なに？きもかった？｣
なんか付いてたのかな。
ラーメンしか食べてないよ？
海苔とか？
慌てて鏡を出して確認するけど
海苔なんてついてなくて
｢そおゆう事じゃない｣
って鏡パタンってして
また車を発進させた。
？？、どうゆうこと？
｢みづきってさ、そうゆう顔普通にすんの？｣
ってチラチラとこっちを見ながら
話し始める裕太。
横顔見つめてたら
こんなに昔かっこよかったっけ？
なんて思ってきて
また信号が赤になるタイミングで
こっち見て
｢男は勘違いするよ、そう言うの。｣
窓の外見つめて口元覆って言われた。
祐太が何を言いたいのかは分かんないけど
なんだか恥ずかしがってる姿が可愛く思えた
｢……私帰りたくない。｣
こっちをやっと見た裕太は
｢だからそおゆうところだって。
そんな顔して言われて
俺が変な男だったら100%襲われてるぞ｣
ってからかわれちゃった。
……本当だよ。
｢不倫はしたくない。
みづきだって俺だって北山さんだって
みんな傷つく。そんなの嫌だ｣
｢……私は本気だよ。｣
｢本気だとか遊びだとかそう言うことじゃないの｣
｢私裕太とは別れたくなかった。
訳あって離れちゃったけど、
本当にあの時のことはごめんなさい。｣
｢うん、今更だよ、そんなの。｣
きっと裕太は私の事
ただの尻軽女だと思ってる。
違うんだよ、本当に。
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作者名：みつこ | 作成日時：2018年5月19日 0時
