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泣き疲れて冷たい床で寝てしまったのか身体の節々が痛い。いつもはとても静かなのに、今日は呻き声が聞こえる。まさか、と思い鉄格子の方へ歩いていくと見えた鮮血。別の国が攻めてきたのか？それとも私が忠誠を誓った国の者が助けに来てくれた？そこまで考えて首を振った。来るはずがない。あの国は私を助ける暇なんてない。汚いベッドの縁に腰掛けようとした時、確かに私の名前が呼ばれた。
「A」
ほら、また私の名前。忘れかけていた私の名前。半年間ずっと番号で呼ばれていたから忘れかけていた。それに、聞き慣れてしまった彼の声。
後ろを振り向くと、ひとらんがいた。片手にはこの牢獄の鍵、もう片手には日本刀が二つ。彼の刀と私の刀。やっと、助けに来てくれた。どんどん涙が溢れてくる。ひとらん、ひとらん、と彼の名前を呼ぶと彼は微笑んだ。
「A、迎えに来たよ」
「来てくれるなんて、思わなかった」
「普通、信じてたよとかじゃない？」
半年ぶりなのに軽口を叩きあって、笑って。重い足枷はひとらんの刀で外され、久しぶりに足がとても軽く思えた。行こう、と手を引かれ牢獄の外へ連れ出される。外へ外へと足が急かすように動く。久しぶりに見た空はとても綺麗とは言えない灰色の空だったけど、私にはそれがとても綺麗に見えた。
外道丸に二人で跨り、自分達の国へ向かう。その間、ずっと彼の軍服の裾を掴んで、離さなかった。ようやく落ち着いたところで、外道丸の動きも少しゆっくりとなる。
「ひとらん、ただいま」
「おかえり、A」
彼の顔は見えなかったけれど、とても嬉しそうな声だった。
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でふぉ - すごく好きです。好きな作者さんばかりで、もっと早く読めばよかったと悔やんでおります。皆さん口調に違和感がなくて、入り込みやすくて好きです。ドキドキしたり、涙腺が少し潤んだりして、とても面白かったです。ありがとうございます。長文失礼しました。 (2019年8月22日 17時) (
レス) id: edb0d1df06 (このIDを非表示/違反報告)
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