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牢獄を蹴破って-ht ページ23
愛しい人の顔を最後に見たのは半年前だろうか。暗く、汚い、淀んだようなこの場所に彼はいない。重い足枷を引きずり歩かなければいけない日々。すっかり細くなった足と腕を見てため息をついた。3日に1回だけの食事はとても不味く、好んで食べるようなものではない。まだ戦争中に食べたとてもかたいパンの方がよかった。
もうすぐで仲間が助けに来てくれる、そんなこと何回考えただろうか。半年経っても助けには来てくれなかった。今では時間感覚もちぐはぐだ。窓もないこの牢獄で人形のように生きるだけ。こんなの、死んだ方がマシじゃないか。掠れた声で彼の名前を呼ぶ。
「…ひと、らんらん…」
彼に褒められた声もがさがさで。
こんなのあんまりだ、と小さくもらして咽び泣いた。
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でふぉ - すごく好きです。好きな作者さんばかりで、もっと早く読めばよかったと悔やんでおります。皆さん口調に違和感がなくて、入り込みやすくて好きです。ドキドキしたり、涙腺が少し潤んだりして、とても面白かったです。ありがとうございます。長文失礼しました。 (2019年8月22日 17時) (
レス) id: edb0d1df06 (このIDを非表示/違反報告)
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