240 ページ40
BC「僕がご挨拶したあとなんて言ってたの？よくわからなかった」
『発表まだ先だし今日は紹介だけで、また結婚するときは改めて報告すると思うって言った」
BC「…お父さん怒ってなかった？」
『怒ってないよ。無口な人で…いつもああだから大丈夫。わたしが14歳で家出てるし、それまでも父は仕事で帰宅が遅くて、ほとんど顔合わせてなかったから…もうどうしていいかわからないみたい。あと一応言っとくと日本の家族はスキンシップする方が珍しいからね』
そういうものなのか。僕のところと違い過ぎて、ちょっと驚いた。Aは淋しそうではないけど…。
BC「そうなんだ…」
『うん、父はよくわかんないけど母はクリスのこと気に入ってると思うよ』
BC「本当に？！ならよかった…」
『大丈夫だよ…あ、10分過ぎちゃったねぇ』
BC「ヤーまさか本当に10分で済んじゃうとは思わなかったよ」
控室に戻ったらXXXはお菓子の包装を熟読していた。…日本語読めたっけ？
『XXX！ごめんねお待たせ！』
XXX「ねぇめっちゃ美味しかったんだけど！ウチの子にも食べさせたい！」
『ウチの子？』
BC「XXXはシドニーで飲食店経営してるんだ」
『そうなの？すごい！あ、なら生ケーキもよかったら食べて！余っちゃうのももったいないし』
XXX「いいの？じゃ遠慮なく…うん、美味しいね。ここどこにあるお店？焼き菓子買って帰りたいな」
『えっとね、本店は甲陽園ってとこにあって…』
XXX「…結構詳しい？明後日は関西回って明々後日は関東回ってから帰るんだけどおすすめ他にもある？」
『うーん、役に立つかはわかんないけどここの近くにあるこことか…あとは元町に行くならここ…あ、大丸にもツマガリ入ってて…』
XXXと仲良くなってくれたのはうれしいけどあまりにも仲良すぎない？僕のわからないお菓子屋さんの話して…
BC「…」
XXX「あ、やばい。クリス拗ねた」
『んふふ、クリスにさっき言ったとこの情報とおすすめ送るから転送してもらってくれる？ごめんねクリス、放置しすぎた』
にこにことこちらに向き直ってくれたAがかわいくて一瞬で機嫌直っちゃったけど、もう少しだけ拗ねたふりをしておくことにする。
BC『婚約者なのに…』
XXX「そうなの？」
『…そうなの、さっき両親に紹介してきた』
XXX「…10分で？」
『…やっぱり変？』
XXX「いや…ていうかそれならもうちょっと余裕を持ったらどうなんだよ」
BC「紹介するんじゃなかった」
XXX「ごめんって！笑」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 206人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：c | 作成日時：2023年11月15日 22時
