Peach!!

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Aヌナがおかしい。

作業室に寄っても集中している時に周りの音が聞こえていないのは変わらないけれど、声を掛けた時に以前より驚くようになったし、僕の背後まで確認してから安心している気がする。

もしかして僕の事…などと淡い期待をしようにも、鈍い方ではない僕はすぐ気づいた。僕じゃない。チャニヒョンだ。チャニヒョンがいない時、2割増で安心している。まだハニにはハニが1人で訪ねた時のことは聞いていないけれど、でもきっと同じような状態だろう。

作業も以前より辛そうな顔でしている。あまりに辛そうなのでそんなに〆切が厳しいのかと聞くとそんなことはないという。さりげなく、かつ根気よく聞き出した情報から推理したところによると作詞がしんどい、らしい。ヌナがまとまってないんだよと言うのに無理を言って見せてもらった最近の詞は、なんだか混沌としていた。

もともとヌナの曲は失恋系が多いけれどそういうのじゃなくて、何かを怖がっているような、拒絶しているような。

チャニヒョンとはカトクのやり取りを見る限り以前よりヌナが微妙にそっけないようにも見えるけれどまぁまぁ友好的だし、個人的にThereについてやり取りをしたと言っていたし、喧嘩をしたわけではなさそう。

…ヌナ…そういうことなんですか？

僕らの恋愛禁止期間は終わっているし、チャニヒョンには幸せになってほしい。いつも責任を背負ってしんどい思いをしているチャニヒョンの安心できるところはメンバー以外にもあってほしい。多ければ多い方がいい。チャンビニは賛成ですよんヌナ…！

あ、でもヌナは移籍したてだから恋愛禁止期間なのか…？それで悩んでるんですねヌナ…！

CB「そういえばヌナって恋愛禁止いつまで？」

あ、やばい。うっかりストレートに聞いてしまった。

『恋愛禁止？JxPの？』

CB「そうです」

『なんで敬語？笑 契約に入ってないよ』

CB「契約にないって…えっと、今も恋愛できるってこと？」

『したいならね、しないけど。』

しないの…？確かにヌナはアイドルでなくなってからも恋愛はしないと公言していたらしいし、プロ意識の高い人だな、メンバーが安心して接することができる女性が増えたな、くらいにしか…え、しないの？過去に何かあったんだろうか。

そこまで首を突っ込むのは少なくとも僕の役目ではないので適当に相槌を打って流しておくことにした。

CB「フーン…ところでヌナお腹空かない？」

『空いたぁ…ビニのおごりでお肉食べたい』

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