Peach! (ページ16)

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事務所に出勤していつもの会議室に向かおうとするとスタッフさんに部屋が変更になっていると言われた。迷わないように道順を2回説明してもらい、復唱してOKをもらって移動した。

そして5分後。授業開始にもあと5分。
目指す会議室が見当たらない。そんなに複雑な道順じゃなかったはずなのに。近くの部屋からはダンスを練習する足音が聞こえる。揃っていて力強い。

本当にこの階なんだろうか。もういちど確認しに戻るしかないかと諦めたとき、不意に背後から声をかけられた。

？「…大丈夫ですか？」

…チャンビナの唇泥棒、リノさんだ。
うわぁ…おっそろしく綺麗な顔…じゃなくてご挨拶せねば。

『リノさんはじめまして。この度JxPと契約いたしましたAAと申します。日本でPeach!というユニットで活動していました。これから宜しくお願いいたします。』

LK「…はじめまして。Peach!さん存じてます。よろしくお願いします。」
LK「ここで何を？」

ちょっとそっけないかんじだけどPeach!知ってくださってたようだ…うれしい。あと喋っても顔綺麗。すごい。

『そうでしたすみませんリノさん、この会議室へ行くように言われているんですがえっと、ここどこですか…？』

LK「…ふふ、これ1階上の会議室だと思います。そこのエレベーターで行けば下りて正面の部屋ですよ。」

…やっぱフロアを間違ってたんだ…恥ずかし…！

『ありがとうございます…助かりました…！』

LK「いいえ、お気をつけて」

『失礼します！』

教えてもらった通りエレベーターで1階分だけ移動したら会議室へ辿り着け、いつもより少し化粧の濃いオンニが迎えてくれた。YouTube映り込み対策らしい。

まずはクリスのところで録音したOST候補曲のデモを聞いてみてもらうことにした。

先生「もう録音したの？…聞かせてもらうわね」
〜♩

『どうですかオンニ』

先生「どうってA…めちゃくちゃいいわよ！これ本当に1人で昨日あれから作ったの？」

『あ、いや、昨日作ったのは作ったんですけど…実はここ2行の歌詞はクリスの修正が入ってます。…まずいですか？』

先生「クリス…？……あぁ、バンチャンね！構わないわよ、同じ第一本部だし。クレジットに名前載せるかは確認した方がよさそうだけど。」

「よかったです。」

先生「このUSB借りていいのよね？まずは第一本部に聞かせてくるわ」

クリスも認めてくれていたし心配はしていなかったけれど、オンニに褒めてもらって安心した。