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せんせいは、ヒーローである。
「おまえっ親もいないくせに」
「いるもん。」
「いたら参観日みにくるだろ！ふつう！」
「ふつうってなに？」
「は？だから」
深「はぁ〜い、そこまでよ」
いつもの公園で、いつものようにブランコに乗っていた。
すると、足元の砂利にせんせいではない小さな靴が。
クラスが一緒の、男子だった。
いつものように言い合いをしていたら、せんせいが背中を丸め、
ポケットに両手を入れて近づいてきた。
いつも、タイミングがばっちしなのだ。
「は！？今日もおまえかよ！」
深「おまえも懲りないねえ。どんだけAちゃんが好きなの？」
「ちげーよ！こいつふつうじゃないもん！」
深「わかるよ。俺もそんぐらいの歳は好きな子をいじめたくなった。」
「ばっ！！好きじゃねーよ！！」
深「おまえもそのうちわかってくるよ」
せんせいはその子の身長に合わせるようにしゃがんだ。いつもわたしに目線を合わせるように。
「なんだよ！意味わかんねーよ！！」
深「ははっそうだな」
深「でもな？これだけは覚えといたほうがいいぞ？
自分の物差しで測ることは、人を傷つけることになるって」
「？。ものさし？なんでだよ！」
深「いつかわかるときがくるって。」
そういって、いつものように男の子の頭をぽんぽんと触る。
せんせいは、時々大人の言葉を使う。
いつもは、わたしにわかりやすい言葉で話してくれるんだけど。
こういうとき、せんせいはわからない。
深「Aちゃん、かえろっか」
「うん」
そう言って、わたしの手をひく。
この瞬間が好き、って言ったらせんせいは何を思うかな。
せんせいがいつも公園へ迎えにいくってお母さんに言ったら
なんとでもして、お母さんはわたしを叱るのに。
せんせいは、お母さんに言っていない。
そのことも、謎なせんせい。
せんせいの大きな背中を見ながら、そんなことを思う。
せんせいだって、学生なのに。わたしのこと迷惑じゃないのかな。
そのことを言ってしまえば、せんせいはどこかへ行ってしまいそうで。
わたしは、せんせいの柔らかい優しさに今日も沈んだ。
「せんせい」
深「んー？」
「いつもありがとう」
深「？どういたしまして」
キョトンとしたせんせいも、好き。
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mamemiya(プロフ) - 世界観がとても好きです。儚さと切なさも感じてとても引き込まれました。更新楽しみにしています。 (5月14日 19時) (
レス) id: 8b0826854e (このIDを非表示/違反報告)
あきゃつき(プロフ) - もぐさん» コメントありがとうございます！私も掴みどころないふかざわさんを書きたくて書いているので嬉しいです(笑)更新がんばりまーす！ (2023年5月3日 19時) (レス) id: 976116a13a (このIDを非表示/違反報告)
もぐ(プロフ) - 年上のふかざわさんの柔和で掴みどころのない雰囲気にきゅんとします。これからも作者様のペースで、更新楽しみにしております。 (2023年5月3日 17時) (レス) id: e4d225bc30 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あきゃつき | 作成日時：2023年3月3日 18時
