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「ここ、見たことある」
渡「あたりめーだろ。」
あの後、イライラしてたなべさんは結局大学へ連れてきてくれた。
もちろん、一限は間に合わなかった。
「連れてきてくれてありがとうございます！」
渡「おまえが新入生をほっといていいのかって脅してきたからな」
こんなつんつんしてても、本当は優しいなべさんをわたしは知っている。
渡「じゃ、俺行くわ」
「あ、ちょ...！」
またしても颯爽と帰ろうとするなべさん。大学に来ればなにかわかるかもしれないとおもっていたが、いざ来るとどうすればいいのかわからない。
渡「俺はそんなにお人好しじゃねーんですわ。
またな」
じろっとわたしを見て、背中を向けた。
そんななべさんを引き止めることは到底できず、見送る形になってしまった。
「ひとりでどうにかしなきゃ...」
「翔太！！！おまえ学校きてんなら言えよ〜！！」
私の後ろから、甲高い大きな声で誰かがなべさんを呼ぶ。
渡「さいっあくだよ...つかまった....」
「おまえの目撃情報は女の子から筒抜けだぜ〜？」
渡「うっせ。佐久間いいかげん〇んでくれ」
佐「ひど！」
悪口を言われても「にゃはは〜」と笑顔の誰かが、なべさんの肩を掴む。
佐「てか学校きたの何日振り？おまえ単位大丈夫？」
渡「あーいいんだよ。阿部から過去問もらうから」
佐「そんな簡単にもらえると思うなよ？」
渡「そんなことより何の用だよ。」
佐「今日ふっかと3人でご飯行こうってはなし〜」
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「.........」
ふっか？
何か聞いたことのある単語。
なんだっけ.....
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「あの」
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考えるよりも、先に声が出ていた。
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「ふっかって、何ですか？」
佐「.....およよ？この子はだれ？？」
渡「おまえ、まだいたのかよ。」
佐「翔太の友達？」
渡「全然。さっきちょっと話しただけ。」
「あの....ふっかって...」
佐「ふっかは〜俺らの友達だよ？」
渡「お前何なんだよ。ずっと気味悪いぞ」
佐「そこまでいう？なにがあったんだよ」
「ふっか.....」
なんだっけ.....誰だっけ........
思い出せそうで、思い出せない。
頭が痛くなってきた。
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終わり
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mamemiya(プロフ) - 世界観がとても好きです。儚さと切なさも感じてとても引き込まれました。更新楽しみにしています。 (5月14日 19時) (
レス) id: 8b0826854e (このIDを非表示/違反報告)
あきゃつき(プロフ) - もぐさん» コメントありがとうございます！私も掴みどころないふかざわさんを書きたくて書いているので嬉しいです(笑)更新がんばりまーす！ (2023年5月3日 19時) (レス) id: 976116a13a (このIDを非表示/違反報告)
もぐ(プロフ) - 年上のふかざわさんの柔和で掴みどころのない雰囲気にきゅんとします。これからも作者様のペースで、更新楽しみにしております。 (2023年5月3日 17時) (レス) id: e4d225bc30 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あきゃつき | 作成日時：2023年3月3日 18時
