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「あ、ちがうの、怪しいものじゃなくて
迷子になったのかと思って...」
綺麗なお姉さんが、わたしを見ていた。
少し、心配した表情で。
「い、いや、ちがいます」
「そうなの？でもこんな大雨で危ないよ？」
「だ、大丈夫です」
「....ならよかった。気をつけてね」
「A！」
後ろから、大好きなせんせいの声がした。
だけど、いつもの「Aちゃん」ではなくて。
咄嗟に振り向くと
いつものせんせいがいて。
だけど
少し雰囲気が違って。
「せんせ...」
「せんぱい、」
わたしよりも先に、お姉さんがせんせいを呼んだ。
深「どうしたじゃないよ。急に走るから何事かと思った」
「いや、ちょっとこの子が気になって...迷子だと大変だから」
「..........」
わたしは、状況が理解できる頭ではなかった。
せんせいは、せんぱいと呼ばれていた。
そして、傘をさしながらわたしの目線までしゃがむ。
深「どした？道に迷った？」
「...........」
「....せんぱいが言うと怖いんじゃないですか？」
深「えぇ！俺子供大好きなのに」
「せんせぃ.....」
わたしは様子がおかしいせんせいに向かって、最大限の勇気を振り絞って声を出した。
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だけど、せんせいは
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深「先生？」
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そう、首を傾げてわたしに放った。
「先生？先生を探してるの？」
深「.....」
「........」
「せんせぃ.........」
いつもの、せんせいに会いたい。
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深「Aちゃん！！」
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また、せんせいの声が聞こえた。
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後ろを振り向くと、傘もささずに不安げなせんせいがこちらへ走っていた。
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え、
せんせいが、ふたり？
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こっちのせんせいは、偽物なの？
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「せんせい！」
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恐怖と安堵で頭が痛くなったわたしは、自然とびしょ濡れのせんせいの方へと足を走らせた。
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横断歩道から2つの光がわたしに向かっていると知らずに。
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深「危ない！！！！！！！！」
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キキィーーーーーーーーーーー！！！！！
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最後に見たせんせいは、
今まで見たことのない、少し怒った顔をしていた。
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mamemiya(プロフ) - 世界観がとても好きです。儚さと切なさも感じてとても引き込まれました。更新楽しみにしています。 (5月14日 19時) (
レス) id: 8b0826854e (このIDを非表示/違反報告)
あきゃつき(プロフ) - もぐさん» コメントありがとうございます！私も掴みどころないふかざわさんを書きたくて書いているので嬉しいです(笑)更新がんばりまーす！ (2023年5月3日 19時) (レス) id: 976116a13a (このIDを非表示/違反報告)
もぐ(プロフ) - 年上のふかざわさんの柔和で掴みどころのない雰囲気にきゅんとします。これからも作者様のペースで、更新楽しみにしております。 (2023年5月3日 17時) (レス) id: e4d225bc30 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あきゃつき | 作成日時：2023年3月3日 18時
