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深「せんせいはねぇ、
好きな人、いるよ。」
「.......」
深「まだ、片想いだけどね」
「.......」
深「なんかはずいわ」
「.......」
深「おーい、Aちゃん?」
「...その人は、大学のひと?」
深「ん?うん。歳下だけどね」
「.......かわいいひと?」
深「かわいいよ。」
「すごく、好きなの?」
深「....。わら
すごく、好きね。」
聞けば聞くほど、こころがズキズキした。
そして、頭が真っ白でなにも考えられなくなった。
深「Aちゃんは?いるの?」
「.....いない」
深「いると思った。恋バナ始めたから。」
「......」
深「じゃあ、Aちゃんはみんなの話を聞く側か。」
その瞬間、せんせいのスマホから電話が鳴る。
深「ごめん、ここの問3解いといて?」
そう言って、わたしの部屋を出るせんせい。
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わたしの恋は、一瞬にして崩れ落ちた。
わたしの好きな人は、べつの好きな人がいた。
ここで「恋愛」だと確実にしたことなんて、忘れるぐらいだった。
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「.....」
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深「ごめん、中断して」
深「........って、
Aちゃん?」
深「どこいった!?」
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ちょっとだけ、ちょっとだけ公園に行くつもりだったの。
子どものわたしは、おとなではないから。
あの空間が耐えられなかった。
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そう、おとなではないから。
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おとなのせんせいとは違うのだ。
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ザァーーーーーーーーー
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お母さんに買ってもらった長靴と傘をを持って、公園に。
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せんせいがおいつてこないよう、別の道で。
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子どものわたしは、おとなになりたいと願い歩いた。
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せんせいの好きな人になりたいと、願った。
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今度こそは、せんせいに怒られるかな。
雨で薄暗い町は、まるで人のいない世界だった。
下を見ると、水たまりに自分が写っていた。
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「君、こんな雨でひとり?」
「....え」
ふいに上を向くと、知らない女の人が立っていた。
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mamemiya(プロフ) - 世界観がとても好きです。儚さと切なさも感じてとても引き込まれました。更新楽しみにしています。 (5月14日 19時) (レス) id: 8b0826854e (このIDを非表示/違反報告)
あきゃつき(プロフ) - もぐさん» コメントありがとうございます!私も掴みどころないふかざわさんを書きたくて書いているので嬉しいです(笑)更新がんばりまーす! (2023年5月3日 19時) (レス) id: 976116a13a (このIDを非表示/違反報告)
もぐ(プロフ) - 年上のふかざわさんの柔和で掴みどころのない雰囲気にきゅんとします。これからも作者様のペースで、更新楽しみにしております。 (2023年5月3日 17時) (レス) id: e4d225bc30 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あきゃつき | 作成日時:2023年3月3日 18時