婚約者！ ページ8
「赤の他人にそんなこと言われたくないなあ…俺とAちゃんの縁は、あなた達よりずっと強力ですよ？」
そりゃいとこだからね。
「…、婚約者か何かなんですか？」
櫻井くんが眉間を寄せながらそう言う。
フィ、フィアンセー！出たー！フィアンセー！ちっげーよ！早とちりし過ぎだよ櫻井くん！？あなたにそれ言われるといろいろキッツイんですけどーー！
「早とちりし過ぎですよ櫻井さん…、A、ほんとに婚約者？」
「どうでしょう？」
「あなたに聞いてないんですけど、さぶろーさん。」
「さぶろーくん！もう！違います！婚約者ではありません！」
「あれえ、言っちゃうの？」
「言っちゃうのじゃないよもう！ふざけすぎさぶろーくん！」
「ほんとは婚約者になりたいんですけどね〜こんな感じなんで…」
「さぶろーくん！」
「嘘は言ってないよ。ほんとになりたかったもん。」
「…っあのね、」
「…ごめん、もうその話しないって言ったのにね。………ま、こんな感じで、俺の片想いの人って言うか、知り合いです！」
「……じゃぁ別に、Aを引き留める権利はないじゃないですか。」
「ありますよ？…見極めなきゃ。それと、Aちゃん泣かした人の顔見とこーかなーって。」
ぐ、と櫻井くんの眉が寄るのが分かる。いや、別に、泣いたわけではないんだけど。心が泣いたとかかっこいいこと言うのであれば泣いてるのかもしんないけど…ん？あれ？泣いたっけ私？
「A、今回は俺が早とちり過ぎた。謝って済むことじゃないけどないけど、ほんとに、申し訳ない。」
深々と櫻井くんが頭を下げる。いや！そんなにされる程じゃない！そりゃ傷ついたかもしれないけど！す、好きな人だったからってのもあるし！そうじゃなかったら、ケッ、なんだあの顔だけ男め、とか悪口心の底で言っただけくらいで済んだだろうし！
「い、いや！ろくに言い訳しなかった私も悪いので！気にしないで大丈夫っす！」
「いや、どう考えたって俺が悪い。社会人としても、男としても失格だった…」
「いやいや！櫻井くんは後輩ちゃんに泣かれて仕方なかったことだし！優しさでそうしたわけだから、それは別に失格じゃないって言うか、いや、なんだろう、その…」
「後輩救ったとしても、結局はあっちが加害者だったろ。真実見抜けなくて、本当は何もやってねー側を責めた俺も非がある。と言うか、俺にしか非がない。お前は悪くない。何も。」
………なんっだコイツ！
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あま - いつも楽しく拝見させて頂いてます!!! これからも応援してます!!! 頑張ってください!!!!! 待ってます!!!!! (2020年3月18日 1時) (
レス) id: 5287825b4c (このIDを非表示/違反報告)
さおりんご(プロフ) - とても面白く、いつも胸キュンしながら読ませていただいています。陰ながら応援させて頂いてますので更新頑張ってください！ (2020年3月17日 3時) (レス) id: 27caed879b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藤乃 | 作成日時：2020年2月1日 0時
