いとこですから！ ページ10
「んふふ、まぁ、なんか無理矢理解決みたいな感じになっちゃったけど、よかったね、Aちゃん。」
にこにことこちらを見るさぶろーくん。
「まぁ……」
「これでちゃんと宴会も出席出来るね、しっかりお酒楽しんできなよ？」
ひぇー、なんか、すっごーいさぶろーくんの声が甘ぁいんだけど。まだ牽制してるの？解決したんでしょ？もういいのでは？松本くんがちらちらと心配そうな目で見てきてるのが感じて取れる。ああ松本さま…なんて優しいの…
「あのさ、誤解のないように言っとくんだけど、」
「ん？何が？」
櫻井くんがなんだかさぶろーくんの方を気にしながらそう言う。
「さっき婚約者なんだの言ってたけど、さぶろーくん、私のいとこですからね。」
「は？」
「ええっ、言っちゃった…！」
「…言っちゃったじゃないの、もう。」
ごめん、やっぱり好きな人の前なので…ちょっと、ね。これくらいは訂正しておかないと、ただでさえ天邪鬼なのに。
「いとこって…」
「道理で…俺たちより縁が強いってそう言うこと…」
「も〜つまんなーい。」
ぶーぶーと唇を尖らせて拗ねた振りをするさぶろーくん。ぼそりと、もう少しいとこじゃないで居たかったのになあ、と寂しそうな声で言っていて、少し悲しくなった。私はいとこだよ、さぶろーくん。
まぁ、でもそっか、いくら親戚でも、いとこ同士は結婚できるんだったね。それなら、他人がよかった、って言われてるわけじゃないのかな。…実際、血の繋がりはない他人なんだけど。だからこそ、もしさぶろーくんと姉弟とかだったりして、好きだった婚約者にしたかった、って言われたら、私は、羨ましいと加えて、悲しくて泣いてたかもしれない。赤の他人で、それでも家族だと言ってくれたのに、って。女として、他人として、見られていたなんて、って。寂しくて。
そんなのただの押し付けだけど。
恋は落ちるもの、って言うから、きっと落ちてしまったら止められないんだろうなあ。いくら家族だったとしても落ちてしまうんだ、きっと。私だって、他人じゃあるけど、止められそうにないもの。
さぶろーくんと二宮くんたちが、いとこだとバラしてなかった件で言い合ってるのを見て。笑ってしまう。皆、意外と気が合っているみたいだ。なんだかまるで、ずっと、一緒にいてバカやってた友達、って、そんな感じ。
「福田、その紅茶評価は。」
「ほしみっつ。」
「お、高い。」
「んふ。」
松本くんが、元気そうでよかった、って笑った。
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あま - いつも楽しく拝見させて頂いてます!!! これからも応援してます!!! 頑張ってください!!!!! 待ってます!!!!! (2020年3月18日 1時) (
レス) id: 5287825b4c (このIDを非表示/違反報告)
さおりんご(プロフ) - とても面白く、いつも胸キュンしながら読ませていただいています。陰ながら応援させて頂いてますので更新頑張ってください！ (2020年3月17日 3時) (レス) id: 27caed879b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藤乃 | 作成日時：2020年2月1日 0時
