万事休す ページ17
太い道路のほうからこっちのほうを覗いてるのが見える
やっべー
俺だって気づかれたかな？
女の人が二人、ひそひそ話してる
慌ててスマホ耳にあてて電話してるフリ
今Aさん出てきたらどーしよ？
お願い、出てこないで
早くあっち行ってくれ
女の人たち、なかなか帰ってくんない
一生懸命祈る俺
女の人たちとの根くらべがはじまった
なかなか去ってくんない
だんだん手が痛くなってきて、スマホおろして女の人たちと反対側に歩き出した
視界の端のほう
女の人たちが近づいてくるのが見える
万事休すか
あきらめかけたとき、
A「またねー！お先にー」
声がして裏口のドアが開いた
Aさんじゃん
どーしよ
女の人たち気になったけど
紫耀「お疲れ様、」
声かけてみた
A「うわっ！」
スマホ片手に現れたAさん
A「どうしたの？！びっくりしたー！」
紫耀「あのさ、」
Aさんのことぎゅって抱きしめた
A「・・・？！//
な、ねっ、どうし、」
Aさんに小声で耳打ち
紫耀「ね、お願い、
黙って恋人のフリして」
目で訴える
紫耀「頼む、別れないで！」
女の人たちに聞こえるように
様子をうかがいながら演技する俺
A「・・・？！//」
紫耀「好きだから一緒にいてほしい」
A「・・・？！//」
Aさん抱きしめてたら、そのうち女の人たちもあきらめたのか去っていった
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作者名：たまさくら
| 作成日時：2023年8月2日 21時
