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なんで、なんて言われても。
「間違えたんだって……あーもう！早く仕事行って！」
「えー。キス待ちする相手間違えるとかあるか〜？」
「しつこいんだけどこの人！」
何とか誤魔化して仕事にさっさと行ってもらいたいものだが、センラさんは何故かやけに私に突っかかってきた。なんでだよ早く仕事行けよ。
最早仕事に遅刻してしまえ、と思いながら私は近づいてくるセンラさんをぐいぐいと押し返すが、当然のこと彼の体はビクともしなかった。だけど今回のことは私が悪い。油断するんじゃなかった。全然今まで平気だったはずなのに、慣れって怖い。まさかこんな醜態を晒してしまうことになるだなんて。
そもそもうらたとのあの生活に順応していた自分自身が怖い。
「さっきの顔もう1回やって」
「絶対に嫌」
「なんでなん。してくれへんの？」
「逆になんでしてほしいの？」
「だって、キスしたくなったんやもん」
は？
思わず声に出ていた。しかしそれでも1歩も引かないセンラさんは楽しそうに私を見下ろしているだけだった。身長差が結構あるから仕方ないけど、この表情でこれだけ見下されているとなんだか居心地が悪い。
どうにかこの現状から脱出しようと思って彼から視線を逸らすと、その隙に更に距離を縮められてしまった。思わず視線を戻すと、かなり至近距離にあった彼の無駄に整った綺麗な顔がドアップで映る。
どうしてこんなに顔がいいんだろう。そこそこ意地悪な性格してるのに。顔がいい奴って揃いも揃って性格が悪いんだろうか。
「なぁに、考え事？今は俺のことだけ考えといて欲しいんやけど」
「いや、考え事っていうか……センラさんのこと考えてただけですよ」
「え、なに急に可愛いこと言うて。お小遣い欲しいん？いくら欲しいんか言うてみ？」
「この人怖い」
突然あほっぽいことを言い出してどこからか財布を出してきたセンラさん。しかし今は欲しいものも無いし、お弁当は毎日センラさんが作ってくれているのでお昼代も掛からないし、ということで遠慮させていただいた。
残念そうに財布から出していた諭吉をしまいながら、センラさんは財布を鞄にしまう。
コントみたいなことをしてしまったが、さすがは関西人と言ったところか。けっこうセンラさんノリノリだったな。まぁこれでキス待ちしてた流れからは脱出できたし、これで一安心だろう。
そう思っていた私に再度近づいてくると、センラさんは何故か私の額にちゅ、とキスをしてから「行ってきまぁす」と緩い声を出して部屋から出て行ってしまった。
「(……え、なに今の？)」
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李 雨月(プロフ) - 垣瀬さん» コメントありがとうございます。お仲間ですね〜！私も動物シリーズ大好きです(*´˘`*)♡ 私は初めて聴いた時から書きたくて仕方なかったです……笑。更新頑張りますので今後とも是非お付き合いくださいませ◎ (6月22日 19時) (
レス) id: 2d25cdcdc2 (このIDを非表示/違反報告)
垣瀬(プロフ) - コメント失礼します！！動物シリーズほんっっと大好きです♡♡この曲のパロも出ないかなーって思ってました！🥺お体に気を付けて更新頑張ってください！🙇 (6月22日 7時) (レス) @page5 id: 644357a4d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白雨 | 作成日時：2023年6月21日 15時
