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せっかく楽しんでいたのに興醒めしてしまった。
ていうか、萎えた。
逃げてしまったAに声を掛けてから、携帯電話をソファに投げて外へ出る準備をする。かなりラフな格好してるから着替えねぇと……。
電話の主はボスだった。そう、あのクソジジイである。もう引退してもいいくらいの年のくせにまだまだ現役だと言い張ってその座を一向に譲ろうとしない頑固ジジイ。俺はあいつが嫌いだ。自分の立場を分かっていないところが。
頭が悪いやつは好きじゃない。
形だけのボス。名前だけ、それだけなのに未だに自分を守ろうと必死になっている老いぼれ。構成員たちの支持は幹部へ向けられ、側近も居ない。最近は愛し合っていたはずの
「だる、めんどくさ……」
適当に選んだシャツとジャケットを羽織って、普通だったら注意されてもおかしくないレベルのチェーンネックレスを首にかけた。
本当はこういうのはチャラチャラしてて好きじゃないけど、あいつが部下にも舐められているのだと示すために付けている。
「(……さっさと帰ってこよ、)」
またなにかと面倒なことを押し付けられるか、金をよこせと言われるのだろう。
まぁ金なんて溢れるほどあるのでくれてやるが、そろそろ言いなりになっているのも嫌になってきた。さっさと俺にその王の座を渡せばいいのに。
なんて思いながら、マンションを出て車に乗り込む。行き先を告げずともこの時間に俺が出てきたのを見てどこに向かうのか察したらしい運転手は、何も言わずに車を走らせた。相変わらず察しの良い奴だ。
「うらたさん、やけに楽しそうですね？」
「は？そんな訳……いや、あるか」
運転手の男は付き合いがそこそこ長い分、俺の極わずかな変化にも気づいたらしかった。
自分の口に手を当てれば、僅かに口角が上がっていた。
まぁそれもそうか。
もう自分の手の中から抜け出せないと分かっている癖に反抗しようと必死なAの顔が思い浮かぶ。華奢な肩と首筋、遠慮気味にこちらを押し返す手。悪くなかった。
「(……なんなら、良かった、まである)」
触れられても不快感を感じないどころか、相性がいいとまで思える奴に出会えるとは運がいい。
大事に大事に可愛がって、身も心も縛り付けてやろう。
……なんて思っていたうらたは、用事を済ませて再び家に帰ってから思わず目を見開いた。ソファで無防備な格好をして眠る少女は呑気に気持ちよさそうな顔をして寝息を立てている。
「(……こいつ、警戒心なさずぎじゃね？)」
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李 雨月(プロフ) - 垣瀬さん» コメントありがとうございます。お仲間ですね〜！私も動物シリーズ大好きです(*´˘`*)♡ 私は初めて聴いた時から書きたくて仕方なかったです……笑。更新頑張りますので今後とも是非お付き合いくださいませ◎ (6月22日 19時) (
レス) id: 2d25cdcdc2 (このIDを非表示/違反報告)
垣瀬(プロフ) - コメント失礼します！！動物シリーズほんっっと大好きです♡♡この曲のパロも出ないかなーって思ってました！🥺お体に気を付けて更新頑張ってください！🙇 (6月22日 7時) (レス) @page5 id: 644357a4d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白雨 | 作成日時：2023年6月21日 15時
