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「いいねぇ、絶望したみたいなその顔」
そう言って彼は心底楽しそうに笑った。その頬は僅かに桃色に染まっており、私がそれを見て顔を歪めると、口元に浮かべている笑みが更に深まる。
人の絶望した顔みてそんな風に興奮したように笑えるなんて、どんな性癖してるんだこいつ。
そう思いながら、私は自分の顔を遠慮なく鷲掴んでいるその手を振り払って無駄に整っている彼の顔を思いっきり睨みつけた。
「こらこら、そんな睨むなよ。俺は一応おまえの上の立場にいる人間なんだからな？」
「っだからって、こんなの許される訳ないでしょ！大体私未成年なんだからそんなの無理だし！」
「はは、生意気。いじめたくなっちゃう」
待って今サラッととんでもないこと言ったんだけどこの人！！！
ゾゾ、と背中に悪寒のようなものが走る感覚がした。女子高生にそんな事言うような変態とこのまま一緒に居てはいけない、と思い、私は即座に傍にあったスクバに手を伸ばすとそのまま鞄を抱えて走った。
後ろから男たちの動揺したような声と、私を呼び止める声が聞こえたがそんなの気にしていられない。
それから一目散に逃げ出した私は、受付の人にだけは「ごめんなさい、お邪魔しました！」と声を掛けてから猫カフェを飛び出した。
「追いかけなくていいよ」
「え……いいんですか？」
「いいよ、別に。だって俺からは逃げられないんだし」
逃げた少女をすぐに追いかけようとした部下たちを制止した茶髪の男は、そう言って笑った。
それに、と言って彼は続ける。
「俺、鬼ごっこは嫌いじゃねぇんだよな」
▽
▽
あれから1週間が経った。中退しろと言われたもののそんなの絶対に嫌なので学校には普通に登校していたのだが、今のところ特に何も起こらない。
意外と大丈夫なのかも。
だって私が作った借金じゃないし、未成年だしきっと支払い義務は法的にはないよね。
なんて楽観視していた私は、昼休みになってからやけに廊下の方が騒がしくなってきたことに気づく。
友達との談笑をやめて1度「なんかあったのかな？」と呟きながら自分も廊下へ出てから、唖然とした。
窓から外を覗くと、怪しげな黒塗りのベンツが校門前に止まり、更には中からかなり柄の悪い黒ずくめの男たちがぞろぞろと出てくるのが見えた。まるで今から敵陣へ襲撃に行きますとでも言いたげなその形相を見てなんだか嫌な予感を感じとった私は、最後に車の中から出てきた男を見て叫びそうになった。
「(……め、めちゃくちゃ見覚えある人がいる……！！)」
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李 雨月(プロフ) - 垣瀬さん» コメントありがとうございます。お仲間ですね〜！私も動物シリーズ大好きです(*´˘`*)♡ 私は初めて聴いた時から書きたくて仕方なかったです……笑。更新頑張りますので今後とも是非お付き合いくださいませ◎ (6月22日 19時) (
レス) id: 2d25cdcdc2 (このIDを非表示/違反報告)
垣瀬(プロフ) - コメント失礼します！！動物シリーズほんっっと大好きです♡♡この曲のパロも出ないかなーって思ってました！🥺お体に気を付けて更新頑張ってください！🙇 (6月22日 7時) (レス) @page5 id: 644357a4d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白雨 | 作成日時：2023年6月21日 15時
