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迂闊だった。志麻くんに、本音をこぼしてしまった。
みんなが心も体もボロボロだと分かっていたのにあんなことを言ってしまうなんて、どうかしてた。この世界に絶望して心の底から死にたいと切実に願っている彼らと比べたら、私の持っている感情なんてちっぽけなものなのに。
だって、私は酷い環境ではなく、恵まれた環境でこの数年間を生きていた。いつまで経っても過去を引き摺って怖がって心を開けなかったくせに、里親の夫婦には返せないほど沢山の愛情を注いでもらっていた。なのに、なのに。あんなこと言ったら、彼らを刺激してしまうのに。私は馬鹿だ。なにも役に立たないくせに、後先考えずに口と体ばかりを動かすのだ。
後悔しても遅いなんて分かってる。みんなで一緒に死ぬんだと彼らが本当に決心してしまったら、私はどうやってもみんなの心をこの世界に留まらせられないだろうから。それに、そもそもいくら考えても彼らを現世に引き留める明確な理由なんて見つかるはずもないのだ。世界に絶望してしまった私たちには、土台無理な話だ。
「(……でも、今死んだら、みんなとずっと一緒に居られる……)」
それは私の心からの願いであり、はた迷惑な願望でもあった。死んだ後は私たちはなにも感じないし、なにもしなくていいから、誰かに迷惑をかけてしまうかもしれないなんてことを考えながらもそれを分かった上でどうでもいいと思ってしまうのだ。
私を大切にしてくれた里親の夫婦がいたとしても、私には自分が死んで悲しむ人がいるかどうかも分からない。でも私をこんな風にしてしまったのは、大人たちだ。
幼いながらに背負った心の傷はあまりにも深すぎた。私たちを愛してくれない残酷で愛おしいこの世界なんて捨ててしまいたい。今までのことを考えれば、そう考えてしまうのも仕方がないと思う。ひねくれた私の頭ではいくら思慮してもそれくらいしか感情が出てこなかった。
「A……大丈夫？」
「あ……さかた、くん……」
「顔、怖いよ、どうしたの」
今までは基本的にずっと倉庫の中にいたが、坂田くんはもう逃げたくないからと言って防音ルームの方まで出てきていた。
志麻くんは坂田くんに私のことを任せてどこかへ行ってしまったし、今私の近くにいるのは坂田くんだけだ。だから彼は私の方に寄ってきたのだろう。まふくんは、兄達の姿を見て不安になったのか泣き出してしまった子供たちを宥めていて、今はこちらに気を使えるような状態じゃない。
そのせいなのか、私は今坂田くんと二人きりでいるような心理に陥った。
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白雨(プロフ) - カエデさん» ありがとうございます〜！私の言葉で少しでも勇気を与える事ができていたら嬉しいです。カエデさんの人生がいいものとなりますように、陰ながら祈らせていただきます🍀 コメントありがとうございました◎ (4月22日 20時) (
レス) id: 2d25cdcdc2 (このIDを非表示/違反報告)
カエデ(プロフ) - 完結おめでとうございます！！私もなにかと周りの大人に色々と狂わされた10代だったので凄いぐっときました。今はまだ人生立て直しを模索中ですが、白雨さんのあとがきで勇気をもらえました！ありがとうございます！！本当にめちゃめちゃ面白かったです！！ (4月21日 23時) (レス) @page50 id: fc5654a0ec (このIDを非表示/違反報告)
白雨(プロフ) - こゆきさん» コメントありがとうございます◎ 来月くらいには完結すると思いますので是非最後までお付き合い下さいませ〜！ (1月9日 23時) (レス) @page17 id: 2d25cdcdc2 (このIDを非表示/違反報告)
こゆき(プロフ) - めっちゃ面白い！続きがすごく気になる、、、 (1月9日 14時) (レス) @page17 id: fe749953cc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白雨 | 作者ホームページ：愛故のメリーバッドエンド。
作成日時：2023年12月14日 20時
