9.急展開。 ページ39
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皆で一緒に朝ご飯を食べて、子供たちと遊んで過ごしていると、ずっとラジオを聞いていたまふくんが物凄い勢いで噎せた。
どうしたのかと思って振り返ると、まふくんはラジオの内容に驚いたようで、機器を両手で掴みながら信じられないとでも言うような顔をしていた。その表情からなんとなく彼が動揺していると察した私は、自分の膝の上に乗って遊んでいた子に一言断りを入れてから立ち上がった。
私が近づくと、まふくんは怯えたように肩をびくりと震わせる。なにかあったんだろうか。まふくんの視線と自分の視線をなるべく近いものにするために屈んだ私は、なるべく優しい声色でまふくんに話しかけた。
「どうしたの？」
「い、一ノ瀬、先生が……」
「一ノ瀬先生って……まふくんが前に言ってた教育実習生の人？」
「先生が、呼び掛けてるの」
「呼び掛けてるって、一体なにを……」
「"子供に暴力を振るっている者を被害者と呼ぶなら正当防衛とはなんなんだ、説明しろ"、って。マスコミとか警察に、一人で乗り込んだみたい……」
「えぇ？！」
まさかの展開に、私は思わず叫んでしまった。たしかに私は彼らの起こした行動が全て正当防衛であることを証明したいとは考えていたけど、こんな事になるとは夢にも思わなかった。
唯一残っている証拠になるであろう証拠品を持っている人がこんな事をするなんて。いや、でもかえってよかったのかもしれない。ラジオの内容を聞く限り、世間は完全にこちら側を庇護して、施設側の対応や管理審査を担当した国を批判していた。当初の彼らを否定していた声はすっかり止んでいる。風上は、この出来事がきっかけとなって変わっていた。
世論が味方したからには、報道は止まらなくなる。私が死にかけの状態で発見された時もそれは大騒ぎになっていたから分かる。さすがに実名報道はされなかったけれど、かなり詳しく私のことを記事などに書かれたりしていたから。マスコミの力って、怖いから。
「どうしたん？」
「いや、それが……」
心配になったようでセンラくんがひょこひょことこちらの方に歩いてくると、小さな声で何かあったのか聞いてきたが、私が説明する声を遮るように防音ルームのドアが開いた。
入ってきたのは志麻くんで、彼は少し遠くから私たちのことを見ていたうらたくんの方に歩いて行くと彼になにか耳打ちした。
うらたくんの顔が、みるみるうちに歪んでいくのが分かった。部屋を出ていく時に志麻くんは外の様子を伺いに行くと言っていたから、きっと外で何かあったんだ。私はすぐにそう察した。
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白雨(プロフ) - カエデさん» ありがとうございます〜！私の言葉で少しでも勇気を与える事ができていたら嬉しいです。カエデさんの人生がいいものとなりますように、陰ながら祈らせていただきます🍀 コメントありがとうございました◎ (4月22日 20時) (
レス) id: 2d25cdcdc2 (このIDを非表示/違反報告)
カエデ(プロフ) - 完結おめでとうございます！！私もなにかと周りの大人に色々と狂わされた10代だったので凄いぐっときました。今はまだ人生立て直しを模索中ですが、白雨さんのあとがきで勇気をもらえました！ありがとうございます！！本当にめちゃめちゃ面白かったです！！ (4月21日 23時) (レス) @page50 id: fc5654a0ec (このIDを非表示/違反報告)
白雨(プロフ) - こゆきさん» コメントありがとうございます◎ 来月くらいには完結すると思いますので是非最後までお付き合い下さいませ〜！ (1月9日 23時) (レス) @page17 id: 2d25cdcdc2 (このIDを非表示/違反報告)
こゆき(プロフ) - めっちゃ面白い！続きがすごく気になる、、、 (1月9日 14時) (レス) @page17 id: fe749953cc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白雨 | 作者ホームページ：愛故のメリーバッドエンド。
作成日時：2023年12月14日 20時
