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後先考えずに行動するのは、私の昔からの悪い癖だった。
きっと今頃警察の人達は戸惑っているだろう。私の里親の夫婦二人も私まで人質になってしまったと大騒ぎしているかもしれないし、大混乱に落ち込んで現場が騒がしくなっているかもしれない。
……いや、ぶっちゃけ今はそんな他人のこと考えているような余裕は無いのだけど。押し込まれた拍子に床に倒れ込んでしまった私を笑みを浮かべながら楽しそうに見つめているのは、間違いなくセンラくんだ。
でも何を考えているか全く分からない笑みを浮かべていて、私は無意識のうちに体を強ばらせる。だけど、そんな私を見下ろした彼は顎に手を当てて考えるような素振りを見せた後に、突然手に持っていた刃渡りの長い刃物を床に落とした。
カシャン！と鉄が落ちた音が大きく院内に響いて、私は驚いてびくりと肩を揺らす。そんな私を見た彼は、私と視線が同じ高さになるようにしゃがみ込んだ。それもあり、バッチリ彼と目が合ってしまう。
優しい色合いのその蜂蜜色の瞳の奥は墨を入れたように酷く濁っていて、私は思わず息を飲んだ。真っ黒、だ。
「さすがにお前の前では狂気的になりたくないや。武器は捨てたよ。だから……俺のこと、怖がらんといて」
「へ……？」
「ふふ、かわええなぁ。昔っからAはかわいかったけど、今はもっとかわいい」
「っ、」
何を言われるのかと思ったら、センラくんは雰囲気にそぐわずそんなことを言って私を混乱させた。私を自分の幼馴染みであるAだと認識してくれている事が分かったのは良かったけど、だからってこれはなんなんだ。
こんな事昔は言われたこと無かった。だからこんな状況じゃなかったら喜ぶんだけど、彼の腹の中が見えなさすぎてかわいいと言って褒められた言葉が逆に怖い。
私を揶揄ってるだけなのか本心から言っているのか、分からないんだもの。
唖然としながらも、私はどうにかこの床に倒れ込んでいるという無様な状況から抜け出そうと立ち上がるために一度腰を引いた。とりあえず、彼と正面から話したかったのだ。しかしその刹那、ふっと視線を床に落としたセンラくんが私を押し倒す。
「おい、逃げんな」
「ひっ……！」
私が少し腰を引いただけだというのに、逃げようとしたと勘違いした彼はポケットから出したハサミを床に倒れた私のすぐ横に突き刺した。
木製の床に、錆びのついたハサミが突き刺さっている。
「もう俺から逃げんな」
「に、逃げようとした訳じゃ……」
「へぇ、面白いこと言うなぁ。それ証明する証拠あんの？ないよなぁ。うん、知ってる」
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白雨(プロフ) - カエデさん» ありがとうございます〜！私の言葉で少しでも勇気を与える事ができていたら嬉しいです。カエデさんの人生がいいものとなりますように、陰ながら祈らせていただきます🍀 コメントありがとうございました◎ (4月22日 20時) (
レス) id: 2d25cdcdc2 (このIDを非表示/違反報告)
カエデ(プロフ) - 完結おめでとうございます！！私もなにかと周りの大人に色々と狂わされた10代だったので凄いぐっときました。今はまだ人生立て直しを模索中ですが、白雨さんのあとがきで勇気をもらえました！ありがとうございます！！本当にめちゃめちゃ面白かったです！！ (4月21日 23時) (レス) @page50 id: fc5654a0ec (このIDを非表示/違反報告)
白雨(プロフ) - こゆきさん» コメントありがとうございます◎ 来月くらいには完結すると思いますので是非最後までお付き合い下さいませ〜！ (1月9日 23時) (レス) @page17 id: 2d25cdcdc2 (このIDを非表示/違反報告)
こゆき(プロフ) - めっちゃ面白い！続きがすごく気になる、、、 (1月9日 14時) (レス) @page17 id: fe749953cc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白雨 | 作者ホームページ：愛故のメリーバッドエンド。
作成日時：2023年12月14日 20時
