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私たちはずっと大人に苦しめられてきた。
孤児院の子供は親が安否不明の失踪状態だったり事故で亡くなっていたり、捨てられた為に親の顔すら知らない場合もあるけど、私達の中の半分は劣悪な家庭環境から助け出された経験がある。
私もそれに該当していた。そして私は該当する子の中で一番酷い環境で育っていた。だから暴力の怖さは誰よりもわかっているつもりだ。両親の機嫌を損ねて殴られないように、ご飯が食べられるように、息を殺して押入れの中でじっと一日が終わるのを待つのだ。
たまに押入れから引きずり出されて蹴られて殴られる事もあったけれど、大人しく喋らずにいればご飯だって貰えるし、たまに「やるよ」と言われてお菓子を貰えた。私は当時いつ死ぬかもしれない恐怖に怯えながらも、そういった気まぐれの優しさに縋っていたのを覚えている。
愛されたかったのだ。私が望んでいたのは飛んでくる拳ではなく、優しくいい子だねって言われて頭を撫でてもらう事だった。だけどそんな望みも虚しく、私は食事も与えられず十数日間部屋に一人で放置された末に周囲からの警察への通報によって死にかけているところを保護された。
重度の栄養失調だったらしい。もう今になっては少し薄れてしまった記憶だけれど、あの飢餓の恐怖は今も忘れずにいる。それと、私に暴力を振るっていた今はどちらとも行方不明の両親の顔も。私は今も両親のことを覚えている。あんなことされたって、実の母と父だったから。
「やっぱり私たち、大人に不幸にされてばっかだね。家族にまで、私と同じ目に遭ってほしくなかったなぁ……ご飯は、ちゃんと食べれてた？」
「ご飯は反省部屋にいない時なら食べれたよ。人が訪問してくる時に痩せてると困るからって」
「そっ、か……」
反省部屋、昔はなかった部屋だ。なにか職員の気に触ることをしたらその中に閉じ込められるらしく、酷い時は二日ほど中に放置されていたという。
水は貰えるけどご飯は貰えないんだよ、と説明した男の子の言葉を聞いて、私は昔の自分を思い出した。もう暴力を振るわれている時点で虐待なのは確定だけど、まさか身体的だけではなく精神的な虐待も行っていたとは思わなかった。
そんなの、職員に反発してしまうのも当たり前だ。大人からの悪意は恐い。どうにかして、この事を外の警察の人達に伝えることはできないだろうか。孤児院の児童に対して行われていた虐待の事実を。幼馴染みの四人は被害者であるという事を。
「(……もしかしたら、できるかも……いや、私がやらなきゃ)」
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白雨(プロフ) - カエデさん» ありがとうございます〜！私の言葉で少しでも勇気を与える事ができていたら嬉しいです。カエデさんの人生がいいものとなりますように、陰ながら祈らせていただきます🍀 コメントありがとうございました◎ (4月22日 20時) (
レス) id: 2d25cdcdc2 (このIDを非表示/違反報告)
カエデ(プロフ) - 完結おめでとうございます！！私もなにかと周りの大人に色々と狂わされた10代だったので凄いぐっときました。今はまだ人生立て直しを模索中ですが、白雨さんのあとがきで勇気をもらえました！ありがとうございます！！本当にめちゃめちゃ面白かったです！！ (4月21日 23時) (レス) @page50 id: fc5654a0ec (このIDを非表示/違反報告)
白雨(プロフ) - こゆきさん» コメントありがとうございます◎ 来月くらいには完結すると思いますので是非最後までお付き合い下さいませ〜！ (1月9日 23時) (レス) @page17 id: 2d25cdcdc2 (このIDを非表示/違反報告)
こゆき(プロフ) - めっちゃ面白い！続きがすごく気になる、、、 (1月9日 14時) (レス) @page17 id: fe749953cc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白雨 | 作者ホームページ：愛故のメリーバッドエンド。
作成日時：2023年12月14日 20時
