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離れるという言動に異常なほど神経質に反応する彼らは、一体何を思って私をこうして引き留めようとしているのだろう。
私に救いを求めているのだろうか。助けて欲しいって、あの、殴り書きされたメモみたいに。志麻くんにももっと早く来て欲しかったと言われた。自分だってこんな風におかしくなりたくなかった、と今にも泣きそうな顔で。
でも救いの手を差し伸べたくても、彼らを助けてあげたくても、私はこうなった原因がまるで分かっていないのだ。どうすることも出来ない。無力だ。憎いほど、私はなにもできない。どうすればいいか、分からない。
「全部、全部、仕組まれたことやったんや。だから俺、ずっと心配で……Aまで何かされてない？今、Aは幸せに暮らせてる？」
「え……えと、なにもされてないよ？孤児院からはなんの連絡も来てないって、
「そう……Aだけでも、幸せに暮らせてるならよかった」
主語が殆どない坂田くんの言葉を、孤児院の人間から何かされていないか、と聞いているんだと解釈した私はそう答えたのだが、坂田くんは私から少し離れると安心したように笑った。
それはまさに、心の底から安心したというような声だった。私はあの頃から成長せずに生きる意味も分からずただ周囲の空気だけを吸って生きてきたのに。なのに心配されていたなんて、なんだか申し訳なくなった。
それに、孤児院の話題を出すと里親の夫婦は少しだけ険しい顔をするので皆に会いに行きたいとも言い出せず、私はただただ彼らの顔色を伺って生きてきたのだ。怒鳴られたり殴られたりしないか不安で、怖かった故の行動だった。
まぁ私があの二人から怒鳴られる事も、殴られたり食事を貰えなかったり閉じ込められたりすることも、一度たりともなかったのだけど。
「どうしても大人が怖くて、私なんにも言い出せなかったの。ずっと、坂田くんに、みんなに会いたいって言えなかった……ごめん、会いにこれなくて」
「いや、それで良かったんよ」
「え？」
「Aはここに居ちゃいけなかった。幸せに暮らせてるって知れたから、俺はもうそれだけでいいや」
先程とは矛盾する坂田くんの言動に、私は戸惑いを隠せなかった。
どういう、意味だろう。分からない。それに、そもそも私たちの会話が噛み合っていないように思えてきた。坂田くんは、何が言いたいの……？
「俺だって、本当はAに離れないで欲しいけど……でも大好きだから、愛してるから、だからこそ会いたくなかった」
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白雨(プロフ) - カエデさん» ありがとうございます〜！私の言葉で少しでも勇気を与える事ができていたら嬉しいです。カエデさんの人生がいいものとなりますように、陰ながら祈らせていただきます🍀 コメントありがとうございました◎ (4月22日 20時) (
レス) id: 2d25cdcdc2 (このIDを非表示/違反報告)
カエデ(プロフ) - 完結おめでとうございます！！私もなにかと周りの大人に色々と狂わされた10代だったので凄いぐっときました。今はまだ人生立て直しを模索中ですが、白雨さんのあとがきで勇気をもらえました！ありがとうございます！！本当にめちゃめちゃ面白かったです！！ (4月21日 23時) (レス) @page50 id: fc5654a0ec (このIDを非表示/違反報告)
白雨(プロフ) - こゆきさん» コメントありがとうございます◎ 来月くらいには完結すると思いますので是非最後までお付き合い下さいませ〜！ (1月9日 23時) (レス) @page17 id: 2d25cdcdc2 (このIDを非表示/違反報告)
こゆき(プロフ) - めっちゃ面白い！続きがすごく気になる、、、 (1月9日 14時) (レス) @page17 id: fe749953cc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白雨 | 作者ホームページ：愛故のメリーバッドエンド。
作成日時：2023年12月14日 20時
