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食堂の椅子に座らされた私は、隣に座った志麻くんにこれでもかというほどじっと見つめられていた。
食堂に来たからには目の前にキッチンがあるのだけど、もう私動く気力がなくて食べ物にはありつけそうにないです。なんとか座っている状態を保っているけど、今すぐ卒倒しそうだしもう限界を迎えました。
ていうか、この空気なんなんだ。志麻くん一言も喋らないし、一体全体どうしたっていうんだ。これじゃあせっかく部屋から出たのに、意味が無いじゃないか。
彼に冷たくされるのが怖くてそんな事は絶対口に出せないのだが、私はそう悪態ついてぼうっとする視界でただ床の一点だけを見つめていた。すると、長い間私を見つめるだけだった突然志麻くんが沈黙を破って口を開いた。
「んで、なんで来たの、おまえ」
「なんでって、それは」
「いや聞かんでも分かるわ。止めに来たんやろ、俺らのこと」
そう言うと、志麻くんは机に頬杖をついて少し斜めの角度から上目遣いに私を見つめてきた。その目は今まで再開してきた幼馴染みたちと同じで、濁りきっていた。
顔色が悪く、薄くついた目の下の隈が目立つ。頬に貼られたガーゼの下には薄く紫紺の痣のようなものが見えた。そんな姿にはあの頃の輝くような瞳で遊び回っていた彼の面影は、ない。
そのせいで、私は彼の問い掛けに対しての返事をしようとするのに、上手く言葉がつ紡げなくて口ごもってしまう。
「止めに、来たのは……間違いじゃ、ない、けど」
「……なんでもっと早く来てくれんかったの」
「え……？」
「おまえがもっと早く止めてくれてたら、俺らだってこんな事してない。……俺だって、こんな風におかしくなりたくなかった」
それ、どういうこと？
それを聞く前に志麻くんは立ち上がってどこかへ行ってしまった。足音が、遠のいていく。だけどどこに行ったのか知りたくても、限界を迎えた体は言うことを聞いてくれなかった。
こんな時に私は、振り返ることすらできない。
私達は、離れていた年月があまりに長すぎたんだ。家族はいつでも繋がっているなんて大嘘だと、今初めて気づいた。だって根本的な性格は変わっていなくても、今の彼らは昔とはまるで別人のようだった。
変わっていないのは、私だけ。子供のままでいるのも、私だけ。
「(……空白の時間が、長すぎたんだ……)」
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白雨(プロフ) - カエデさん» ありがとうございます〜！私の言葉で少しでも勇気を与える事ができていたら嬉しいです。カエデさんの人生がいいものとなりますように、陰ながら祈らせていただきます🍀 コメントありがとうございました◎ (4月22日 20時) (
レス) id: 2d25cdcdc2 (このIDを非表示/違反報告)
カエデ(プロフ) - 完結おめでとうございます！！私もなにかと周りの大人に色々と狂わされた10代だったので凄いぐっときました。今はまだ人生立て直しを模索中ですが、白雨さんのあとがきで勇気をもらえました！ありがとうございます！！本当にめちゃめちゃ面白かったです！！ (4月21日 23時) (レス) @page50 id: fc5654a0ec (このIDを非表示/違反報告)
白雨(プロフ) - こゆきさん» コメントありがとうございます◎ 来月くらいには完結すると思いますので是非最後までお付き合い下さいませ〜！ (1月9日 23時) (レス) @page17 id: 2d25cdcdc2 (このIDを非表示/違反報告)
こゆき(プロフ) - めっちゃ面白い！続きがすごく気になる、、、 (1月9日 14時) (レス) @page17 id: fe749953cc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白雨 | 作者ホームページ：愛故のメリーバッドエンド。
作成日時：2023年12月14日 20時
