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入っていた写真は一枚だけで、その引き出しの中をくまなく探したけれど他には本が数冊入っているだけで何も見つからなかった。
鍵がかかっていた一番下の引き出し以外の他の引き出しの中も見てみたけれど、最初に見つけた以外の写真はどこにもない。だけど、手紙が何枚か入っていて、宛名からこれがうらたくんの引き出しであることが分かった。
まぁここのベッド使ってた訳だし、薄々そんな気はしていたのだけど。ということでこの昔の五人の集合写真はうらたくんのものである事が分かったが、私にはもっと気になることがあった。
向かい側にある引き裂かれたシーツのかかったベッドである。あれの持ち主は誰なんだろう。うらたくんと同室なんだから彼と歳が近い人なんだけど、この孤児院の最年長は今は私の幼馴染み四人だと聞いた。だから彼らの中の1人である可能性が高いのだけど……うーん、分からん。
「……まぁ、開けるか」
単純な結論に至った私は、そっちの引き出しも開けてみることにした。
一番下の鍵が掛けられる引き出しは、うらたくんのものと同様に鍵がかかっていて開けられなかった。だけど一段目から三段目までは鍵が掛けられないから開けることができるはず。
そう思って中を開くと、一段目はまさかの空。え、何も入ってないとかあるんだ。
いくら孤児院の子供だろうと自分の財産である持ち物くらいあるだろうに、なんて思っていると、二段目は物が入っていて中を開けると大量の紙が入っていた。なにこれ。
よくよく見ると、メモのようなものが全ての紙に殴り書きされるような形で書いてあるようだ。全ての文が単語で切り取られているから本当に雑に書いたような感じだけど、なんて思いながら文字を読んだ私はゾッとした。
もう嫌だ。死にたい。逃げ出したい。誰も信じられない。死にたい。助けて。
「……なにこれ、」
まさか、と思って見てみると、その引き出しの中に満タンになるまで入っている紙には全て先程のような言葉が羅列していた。文字で塗り潰されて真っ黒になっている紙もあった。握り潰したのが、ぐしゃぐしゃになっているものもあった。
笑えないくらい大量にある苦しい心情を綴った紙に、私は唖然とする。だって、この施設に居るのはまだ成人すらしてない子供だ。子供がこんなになっているのに、孤児院の大人は気づかなかったの？
こんなに追い詰められるまで、何があったの。書かれた言葉には主語がないせいでその原因となるものの正体は分からなかったけれど、私は胸が痛くて仕方なかった。
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白雨(プロフ) - カエデさん» ありがとうございます〜！私の言葉で少しでも勇気を与える事ができていたら嬉しいです。カエデさんの人生がいいものとなりますように、陰ながら祈らせていただきます🍀 コメントありがとうございました◎ (4月22日 20時) (
レス) id: 2d25cdcdc2 (このIDを非表示/違反報告)
カエデ(プロフ) - 完結おめでとうございます！！私もなにかと周りの大人に色々と狂わされた10代だったので凄いぐっときました。今はまだ人生立て直しを模索中ですが、白雨さんのあとがきで勇気をもらえました！ありがとうございます！！本当にめちゃめちゃ面白かったです！！ (4月21日 23時) (レス) @page50 id: fc5654a0ec (このIDを非表示/違反報告)
白雨(プロフ) - こゆきさん» コメントありがとうございます◎ 来月くらいには完結すると思いますので是非最後までお付き合い下さいませ〜！ (1月9日 23時) (レス) @page17 id: 2d25cdcdc2 (このIDを非表示/違反報告)
こゆき(プロフ) - めっちゃ面白い！続きがすごく気になる、、、 (1月9日 14時) (レス) @page17 id: fe749953cc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白雨 | 作者ホームページ：愛故のメリーバッドエンド。
作成日時：2023年12月14日 20時
