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いつまで経ってもうらたくんは部屋に戻ってこず、朝ご飯を食べていない私は空腹を感じて困っていた。
昨日の夜も、ろくに中身を食べていないにも関わらずミネストローネを床に零してしまったせいで結局ほとんどパンしか食べられなかったのだ。それ故にお腹がすいてしまうのも当然のことだった。
ぐぅ、と腹の虫が先程から飯をよこせと騒いでいるし、水分しかとっていないせいで糖分が足りず無気力感ですら感じてくる。ていうか、やっぱり私精神が図太いのかな。こんな時にもお腹が空くんだから自分の体はやはり素直だ。
「(……部屋の外、出てみようかな？)」
必死で空腹を訴えてくるお腹を擦りながらそう思ったが、もしかしたらもう少しでうらたくんが戻ってくるかもしれないと思ったら部屋を出ることは躊躇われた。入れ違いになったら嫌だし。
だから、もう少しだけ待ってみよう。もう少しだけ。
そう考えたものの、やることが無いので暇になってしまった私は、ベッドの端に座って足を浮かせたままぷらぷらと前後に動かしてしばらく遊んでいたが、それにも飽きてしまってすぐに辞めた。
子供じゃないけど、狭い部屋でじっとしているというのも中々無理な話なのだ。人間の性質的にも、私の性格的にも。それに、暇ほど人間の敵はいないものだ。暇というものは時に人を狂わすほどの力ですら持っているのだから。
そう言い訳した私は、やる事がなかったから仕方ないという理由をつけて部屋の中をまた物色してみる事にした。
実はずっと気になっていることがあった。ベッド脇に置かれているサイドチェストには四つの引き出しがあって、その中身がなんなのだろうと気になっていたのだ。
私は小学生になる前に孤児院を出たから個室は与えられた事がなかったけど、年長者たちは個室で寝るし、自分の財産として物も持っていると知っていたから見てみたかった。あの頃の私もとても気になっていた年長者達の持ち物……一体何が入っているんだろう。
間違いなく百パーセント好奇心で取っ手に手を伸ばした私は、とりあえず一番上の引き出しを開けた。
「(……写真？)」
そこにあったのは見覚えのある写真だった。その中には四人の男の子とその中に混じった紅一点の女の子の姿があり、彼らは孤児院の前で楽しそうに肩を組み合って笑っている。
これ……間違いない。
昔の、私たちだ。
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白雨(プロフ) - カエデさん» ありがとうございます〜！私の言葉で少しでも勇気を与える事ができていたら嬉しいです。カエデさんの人生がいいものとなりますように、陰ながら祈らせていただきます🍀 コメントありがとうございました◎ (4月22日 20時) (
レス) id: 2d25cdcdc2 (このIDを非表示/違反報告)
カエデ(プロフ) - 完結おめでとうございます！！私もなにかと周りの大人に色々と狂わされた10代だったので凄いぐっときました。今はまだ人生立て直しを模索中ですが、白雨さんのあとがきで勇気をもらえました！ありがとうございます！！本当にめちゃめちゃ面白かったです！！ (4月21日 23時) (レス) @page50 id: fc5654a0ec (このIDを非表示/違反報告)
白雨(プロフ) - こゆきさん» コメントありがとうございます◎ 来月くらいには完結すると思いますので是非最後までお付き合い下さいませ〜！ (1月9日 23時) (レス) @page17 id: 2d25cdcdc2 (このIDを非表示/違反報告)
こゆき(プロフ) - めっちゃ面白い！続きがすごく気になる、、、 (1月9日 14時) (レス) @page17 id: fe749953cc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白雨 | 作者ホームページ：愛故のメリーバッドエンド。
作成日時：2023年12月14日 20時
