4.黄色の鬼。 ページ14
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顔を上げると、そこには美しい金糸雀のような色の髪とシトリンに似た輝きを持つ宝石眼の青年がいた。見惚れてしまうほど美しく整った顔の彼が私の視線に気付いて、こちらに顔を向ける。眩しいくらいの美青年だった。
一重にイケメンというよりも、美しいという言葉の方がしっくりとくるような顔立ち。真珠のような白い肌に桃花眼という恵まれた容姿を持った彼は、私と目が合うと途端に優しく微笑んだ。しかし、知らない人に突然抱き締められるというどことなく既視感があるものの全く理解できない状況に置かれた私の頭は混乱するしかなかった。
この世界にいる人、初対面のくせにやけに抱き着いてくるけどなんなの……？！
「センラ！Aを返して！」
「嫌に決まっとるやん。抜け駆けするような奴にAは渡されへん」
「ぬ、抜け駆けしたのは認めるけど！で、でも、でも、Aのこと嫁に貰うのは俺やもん……！！」
また相変わらず坂田さんは私のことを嫁にするだのなんだのと言っている。
こんな状況でなんちゅーことを言ってるんだ。この人言動ぶれなさすぎでしょ。
「はぁ？Aのこと嫁にすんのは俺に決まっとるやろ」
「え……え？」
「いや俺や！」
私は思わず、おまえもか！！と心の中でツッコミを入れてしまった。口をついて出たのは困惑をそのまま体現したような語彙のない声だけだったが。その後も「えぇ……？」と語彙のない言葉を発し続けるが、2人はそんなの気にしてもいなかった。
まさかこの綺麗な男の人まで私のことを嫁にするだのなんだのと訳の分からないことを言い出すとは思っていなかったので、私は思わず2人のことを交互に見比べる。こいつら何言ってるんだ、という顔で。
しかし2人は火花を散らす勢いでお互いを睨みつけあっており、私の事なんて頭からすっかり抜けてしまったかのようだった。それを見た私は最早感情を隠そうという努力すらやめて、露骨に嫌な顔を浮かべた。そりゃあもう引いておりますとも。ここまでくるとドン引きです。なんかもう訳わかんないし。
やっぱり男の子が苦手だとしても、元から嫌いだった訳じゃないから面食いとまでは言わないけど顔が綺麗な人を見るのは目の保養になるわけで。だから最初こそ、戸惑いながらも触れても不快感がない坂田さんに詰め寄られてもそこまで気にならなかった。ここが現実世界だとはとてもじゃないけど思えなかったし。まぁ実際桃源郷とかいう異形が住む現実ではありえないような世界だったんだけど。
「(……あれ、そういえばこの綺麗な人にも触られてるのに不快感ないな……)」
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李 雨月(プロフ) - かわいい私が好きさん» その言葉がいただけて字書き冥利に尽きます(照) タイトルもこだわっているので褒めていただけて嬉しいです。コメントありがとうございました〜！ (2022年11月8日 22時) (
レス) id: 8fe15b8549 (このIDを非表示/違反報告)
かわいい私が好き - 題名だけでドタイプを貫いていたので覗いてみたらもう最高の作品に出会いました👐✨これからも読み続けます😉 (2022年11月4日 20時) (レス) @page12 id: 28b1a8c3b0 (このIDを非表示/違反報告)
李 雨月(プロフ) - みこさん» 一コメですよ〜！面白いと言っていただけてとても嬉しいです！コメントありがとうございました◎ (2022年10月17日 0時) (レス) id: 2d25cdcdc2 (このIDを非表示/違反報告)
みこ - 一コメ、、、？めっちゃ面白いです！ありがとうございます！更新楽しみに待ってます！ (2022年10月10日 15時) (レス) @page11 id: 3112c05530 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白雨 | 作成日時：2022年9月19日 21時
