【刀剣乱舞】生き返って絶望した

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朝から何処か浮かれた賑やかな声が聞こえていた本丸は今はもう皆静かに空を見上げていた。


中秋の名月。おそらく十五夜といったほうが分かりやすいか。


季節はそんな秋の色。


作物の実りに感謝をする今宵は皆が待ちに待った祭りの時間。


短刀から薙刀、大太刀までもが静かに空を見上げている。
稀に見る十五夜の満月。

歌仙兼定も風流だとかで詩を作っているし、鶯丸や三日月宗近の緑茶を啜る手は止まらない。

燭台切光忠が作ったという月見団子は、みたらし団子や餡子団子に変身し、皆を大いに喜ばせた。



一方私はというと、自室で障子を全開に開き、短刀達が持ってきてくれた、みたらし団子に食いついている。

毛布にくるまり、ほけーと月を見ながら団子を食べている私の隣にもう一人。


獅子王だ。


春先にあった、獅子王が私の自室に見舞いに来たあの日からどんどんと距離が近くなったような気がする。



付喪神といえど姿形は人間なので生活習慣が男と女で違うのである。

今日はその三日間の一日目。

一応は体のつくりは女なので大体の女子なら察してくれるであろう。
女の日なのだ。






昨日は彼女と今日の月見の話をしていたのだが。

今朝、私が女の日だと伝えると残念そうな表情を見せた彼女を見て 『すまんな。』としか言うことができなかった。





月明かりに照らされ、ただひたすらに呆然としているのが、たまらなく好きだ。

自分の傍に愛し人がいるのがたまらなく心地いい。

彼が手を握り、互いの体温が直に感じることがたまらなく愛おしい。






なぁ獅子王。
君はすごいなぁ。


なぁ彼の人。
君の気持ちが今なら分かる気がするよ。







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